急いでココアを二人分用意するとソファに座っている総司の横に座った。
リモコンのスタートを押すとお笑い番組がスタートする。
月に一度か二度、休みの日に私達はこうして大量のDVDを借りてきてひきこもる。
お菓子とかたくさん買ってきてソファに座って。この時間、意外と楽しみなんだよね。
今日はお笑いのDVDとホラー映画、コメディ映画などなど盛りだくさん。
片っ端から見ていかなくては。
「あははは。」
テレビの中で軽快にトークをしている芸人さん達。お笑い芸人ってすごいよね、頭の回転本当に早いと思う。
「美月、このコンビ好きだよね。」
「うん。おもしろいじゃん。総司は?」
「好きかな。」
笑いのツボは大事だと聞いたことがある。
同じ所で笑えるって幸せな事だもんね。
選ぶDVDが似ているから好みが似てるってことで相性がいいのかもしれない。
なんかそういうの嬉しいな。
そう思って総司を見ると視線に気がついたのか総司も私の方を見る。
「ん?」
ふわりと微笑む表情は付き合い始めた頃にはあまり見られなかったな。
時間がたてばたつほど甘く優しいものになっていく総司の態度にまだまだ躊躇ってしまうことも多いんだけど、でも嬉しいんだよね。
「どうしたの?」
「なんでもなーい。」
そう言って私は総司の肩に頭を置いた。
すると肩をひきよせられ、私の総司の距離はゼロセンチになる。
「甘えたいの?」
「うん。」
「いいよ。」
総司が両腕で包むように私を抱き寄せた。
あったかくて、良い香りがして、一気に安心する。
そして必ず訪れる。
困ったあれ。
「…。」
「美月、眠い?」
「ん…。」
こうしてソファに二人並んでくっついて座っているといつも必ず眠くなる。
最近は総司に膝枕してもらって寝ることも多いぐらいだ。
いつも起きてから立場が逆だって落ち込むんだけどこの眠気に敵わない。
だって眠気と戦おうとしているのに総司がとどめをさすように頭を撫でるんだよ?
これ、総司も悪いと思わない??
「そ…じ。」
「んー?」
「好き…。」
「っ!?」
小さく不意打ち…という呟きが聞こえた気がした。
それを最後に私の意識は完全に落ちた。
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