「「…!」」
「ん?どうしたの?」
口を開けたまま何も言わずに私を見る二人に思わず不安になる。
変?この水着変?!
でもその心配を壊してくれたのは千鶴だった。
「美月ちゃん、可愛い!」
「ほんと!?ありがとう千鶴!!!」
「いや、やっぱりパーカーを羽織れ!」
「なんでよ!?一君!着てたら泳げないから。」
「泳がなくていい!」
「えぇ!?やだやだ。泳ぐから。」
私は一君の制止を無視して海へ走っていった。
私が勢いよく走っていくのに気がついたのか平助や永倉さんがこっちを向く。
「平助―!永倉さん!混ぜてくださーい!」
「おぉ!ってお前!」
「いい…いいぞ美月ちゃん!!!!」
「お前意外と細いんだな。」
目を丸くして顔を真っ赤にする平助と親指をぐっと突き出してくる永倉さん。
近くにいた土方さんも少しだけ視線を逸らして呟いた。
「ちょっと!美月!!??」
近くにいた総司も私に気がついたようで。
えへへ、足は細くないけどウエストはがんばって腹筋したもんね。
これでみんなと泳げるぞ!って思っていたんだけど。
ものすごい勢いで大きいパーカーがふってきました。
「うわっ!」
「何考えてるのかな?」
「え?総司?」
顔にパーカーがとんできて、それをとったら目の前に総司が立っていた。
うん。
笑ってるけど怖い。
小声がさらに怖い。
なんで!?
「何って…泳ごうかと?」
「露出多すぎ。」
「だって水着だし!?」
「却下。」
「えぇ!?」
「ふーん。水着なら恥ずかしくないっていうなら・・今後僕の家にいる間はずっと水着にしようか?…何もしない保証ないけど。」
「ご、ごめんなさい。」
泳ぎたかったのに…。
総司にパーカーを着せられ、私は泳ぐことを諦めました。
「あれ!?なんでパーカー着ちゃうの!?」
何故か絶望的な表情をしている永倉さん。
「泳がないのか??」
顔の赤みがひいた平助。
「うん。日焼けしないようにかりました。」
ってことにしないとね。だって怖い人が後ろについてるから。
「あとあとヒリヒリするもんね。ちゃんと着ていたほうがいいよ。美月。」
「はい。」
総司が怖いよ〜。
何で水着になっちゃだめなんだろ。
「泳がねえなら何か食べるか?」
「え?」
下を向いていたら土方さんに声をかけられた。
そんなにへこんでみえました??
「奢ってやる。」
「ほんとですか!?焼きそば食べたいです!!」
「じゃあいくか?」
海といえば海の家!
さっき一君もきっとそこでかき氷買ったんだろうな〜。
「はい!」
総司は永倉さんや平助とビーチバレーっていうかドッジボール?してるし。
ま、いっか。
どうせ泳げないなら…
食べるしかないよね!
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