「いきます!」

私、原田さん、永倉さんが何事もなくさし終え。

「よっしゃ、俺ー。」


平助が思い切りさすと。



――パーン!


「あ。」

「よしっ。どれどれ。一番近くの異性と20秒見つめあう。」

「異性って。私だけじゃない!」

「よし、美月!こっち来て!」



みんなお酒がまわってるから完全に盛り上がってるけど。
私こういうゲームあまり好きじゃないのに!

「えー。平助と見つめあうの?」

「仕方ないだろー。ゲームなんだから。」



平助の近くに座ってじっと見つめる。
ま、平助ならそんなに緊張もしないし。
良かったのかも。


「…。」

「…。」

「っ…。」

「!?」



いくら平助でもずっと見つめあうと。

恥ずかしい!


お互いお酒のせいか顔が赤いし。
恥ずかしいと思い始めたらどんどん顔に熱が集まっていく。


「も、もういいですよね!?」


思わず隣にいた永倉さんに聞く。


「あと10秒〜。」



きっちりはかるな!!!
恥ずかしいんですよ!こっちは!


平助の向こう側にいる総司の視線が痛いんですよ!私は!



どうにか平助との見つめあいも終わり。




再びゲームが始まった。

一周まわり、二周目。




――パーン!



「しまった。」

「山崎君だね。えーっと。」



総司が指令を目で追い。

ぽいっと投げた。



「おい!総司!何しやがる!」

「却下ですよ、土方さん。あんな指令。」

「なんでお前が却下するんだ。」



総司がなげた剣を一君が拾う。

「近くの異性の手の甲にキスをする。」

「「えぇ!?」」

私と山崎君がほぼ同時に叫ぶ。
だって…また私!?

「キス!?」

「手の甲ぐらい挨拶みたいなもんだろ。さっさとしちまえ。」

「挨拶って左之、お前どこ出身の人間だよ。」

「さすがにそれは。」

「うん。さすがに、ね。」

山崎君と目を合わせ、それはナシだよねーという空気になったというのに。

「さっさとしろ!男に二言はねぇってさっきも言ったろ!」




いや、私女だし!
土方さん完全に酔ってるよ!!!



「すまない、美月さん。」



山崎君が困ったように近づいてきた。
いや、仕方ないですよ。あの鬼副長に逆らえる人なんていないんですもん。



そっと手をとられゆっくりと山崎君の顔に私の手が近付いていく。



静かに唇が触れた。







恥ずかしすぎるから!!!
なんだか目の前で映画のワンシーンを見たみたいで。



総司は…。


あ、完全に怒ってる。


でもこれ私のせいじゃないよね!?


だめだ、これ以上見られない・・。





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