次の日。



午前中の授業を終え、お昼をすませてリフレッシュルームに向かった。
今日の午後は急に休講になり、一度帰ろうかどうか迷ったけど、レポートやっておかなきゃなと思ったわけで。


(総司にメールしておこっかな。)


総司も午後は休講だからあいているはずだ。一緒にレポートやろうとメールをしてみる。
すると十分ぐらいしたらつくと返事がきた。



(何か飲み物でも買っておこー。)



リフレッシュルームに入るとそこには一君がいた。



「あ、一君。」

「美月か。授業はないのか?」

「午後休講なの。一君は?」

「俺はもともとあけている。そうだ、美月、時間あるか?」

「いいけど。どうしたの?」

「その…手伝ってほしいことがある。」



手伝い?
ま!まさか!


「すまない。昨日の今日だが、甘えてもいいだろうか?」


一君がそんなこと言うなんて明日雨だよ絶対!
でも頼られるのって嬉しい。
いつも頼りっぱなしだから。



「まかせて!」


そう返事すると急いで総司にメールをいれる。


―ごめん。ちょっと用事できちゃった。また連絡するねー!



カバンに携帯を放り込み、一君の方へ向く。


「準備オッケーであります!」

「そうか。ではついて来てほしい。」



一君についてリフレッシュルームを出ようとした時だった。



「あ、美月ちゃん。斎藤君。」

「あ、千鶴!千鶴は次授業?」

「うん。飲み物買っておこうと思って。二人は休講?」

「あぁ。」

「じゃ、千鶴。がんばってねー。」



千鶴と別れ、そのまま一君についていった。




一君についていった先は大学の演習農場。
お米や野菜、果物など食べ物から牛や豚、鶏など家畜までなんでも育てている場所だ。




「あの〜一君?」

「なんだ?」

「私、手伝いするんだよね?」

「あぁ。こっちだ。」



ついていった先はビニールハウス。
ここにその子がいるのかな?


入ると外より暖かい。温度調整がされているのだろう。



「そこ、足元悪いから気をつ…。」

「きゃあ!」



一君が注意してくれた瞬間。
まさにその場所に足をとられた。


「美月!」



――ドサッ



痛…くない。



転んだ先は。



「わっ!一君ごめん!!!」


一君の上。
どうやら私をかばってくれたらしい。



「…。」

「ごめんね?痛くない?」

「あ・・あぁ。」



私が立ち上がり、一君も立ち上がる。
一君の服にはところどころ土がついてしまっていて、私はその土を払い始めた。



「ごめんねー。あーここも土が。」

「美月、あんたにも土が。」



そう言うと一君は私の服についた土を落としてくれる。


「ふっ。こんなところにも。」



一君の手が私の頬に伸びる。
どうやら土が顔にはねていたらしい。
思わず目を閉じた。



「…。」



頬に手が触れ、土がぬぐわれたとほぼ同時。



―バンッ!!!!



ビニールハウスに人が入ってきた。





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