飲み物でも買おうかなと思い、私はリフレッシュルームと呼ばれる休憩所に向かった。

そこは飲み物やアイスの自動販売機が置かれている少し広い部屋で、机や椅子もあって学生がのんびりできるようになっている。

レポートするもよし!
おしゃべりするもよし!

クラス関係なく共通で使える部屋だ。





角を曲がり、目的地までもう少しというところで。
その入口に人だかり。



というか、見慣れた後姿ばかり。





「何してるの、みんな。」

「あ、美月。」


総司が私の声に気付いて振り向いてくれた。

中に入ろうとせず、ドアのガラス部分から中を覗いているのはお馴染み、剣道部のメンバーだった。





「おぉ、美月ちゃん。どうしたんだ?」


永倉さんもこちらを向いて話しかけてくれる。


「いや、どうしたってこっちのセリフですよ。みんな何してるんですか。」

「まぁ・・平助が変な情報掴んできたからよぉ。みんなで眺めてたんだ。」

「変?」



原田さんは半信半疑といった微妙な顔で部屋の中を覗いている。


「変な情報じゃない!さっき本人が言ってたんだぞ!!」


そう言って原田さんを見上げる平助をドアから引きはがし、私も中を覗いた。


何人か学生の姿が見える。
それぞれ話しこんでいるようだ。
特に変わったところはない。


「窓の方の席見てみて。」


総司に言われて視線を窓の方へ移動する。
窓際には少し高めのテーブルとイスがセットで置いてあるのだが、そこに見慣れた人物がちょこんと座っていた。



「一君?」



テーブルに肘をついて何やら考え事をしているらしい。



「そう。一君。」

「どうしたの?なんか元気なさそうだね。」

「それがさ…。」



平助がほんの十分ほど前に起こった出来事を語り始めた。




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