「くくっ…ほんとおもしろいよね。」
「からかうなー!!」
プリクラがでてくるまでの待ち時間、総司はずーっと笑ってた。
いや、私だって何にも知らないわけじゃないよ!?
中学生じゃあるまいし、チュッってかわいらしいキスだけじゃないことも知ってるけど。
だけどここで!?って思うじゃん!!!
そんなことを考えているうちにプリクラができあがる。
総司がとりあげるとまじまじと見つめていた。
「どうしたの?」
「いや、プリクラって詐欺だよね。」
「へ?」
できあがったプリクラを覗き込む。
まぁ確かに光で肌は綺麗になるし。
最近のプリクラって勝手に目大きくなるし。
「だから昔からプリクラってあんまり好きじゃないんだよね。プリクラ見てから実際に会うと誰?って思うこと珍しくないし。」
「ふふっ。男の子からしたら詐欺だね、確かに。」
「しかも目とかかなり違うよこれ。」
「ちょっと大きくなるよねー。」
「美月は実物のほうが可愛い。」
少しむっとした感じで呟く。
いや!
プリクラの方が肌も綺麗だし、目もパッチリしてるし!
実物より良いに決まってるじゃん!
「総司。目になんかフィルターかかってるんじゃないの?」
「フィルター?」
「どう見てもプリクラのほうが…。」
「実物のほうがいいの。それ以上言うとまたさっきのするけど?」
さっきの?
「今度は止まらないかもしれないな〜。」
耳元でそう囁かれ、私の一度下がった体温は急上昇した。そして心臓もまた騒ぎだす。
「ばか!!!!!」
私をからかうところは変わらない。
でも段々恋人らしくなってきていることが嬉しくて。
しかも多分それが今顔にでちゃっていることが悔しくて。
総司に追いつかれないようにダッシュで逃走。
すぐに捕まるけれど、顔が赤いのは走ったせいにしておく。
いつか私が総司をからかえる日はくるのだろうか?
終
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