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私の初恋は遅かったんだと思う。
あれは高校一年生の時。
同じクラスで、席も近い。
多分最初はただそれだけのことだったんだけど彼は私によく話しかけてくれた。
あまり口数も多い方じゃない私。きっと会話するの大変だっただろうに…。
いつも嬉しそうに笑って話してくれるから、私もいつの間にか彼を目で追うようになった。
二年生になって、クラスが離れた。
クラス替えの表が貼り出された時、どれほどため息をついただろう。
でも幸いなことに彼と仲の良い沖田君が私と同じクラスで彼はよくこっちのクラスに遊びに来ていた。
その時は沖田君も一緒に三人でよく話したのを覚えている。
たわいもない会話ばかりだったけど、それでもやっぱり嬉しかった。
三年生になってまた同じクラスになれた。
あの時は本当に嬉しかったなぁ。
教室で最初に会った時、「よろしくな」って言った彼の笑顔は今でも覚えてる。
クラスメイトに冷やかされても、相合傘書かれたって。
そんなの何とも思わなかった。
彼と一緒にいられて。
彼と一緒の時間を過ごせて。
私の高校時代の思い出はどれもキラキラしている。
告白できなかったことが唯一の心残りだったんだけど…。
そんなキラキラした思い出の中の彼が…
今隣で笑っていてくれるから。
あの時に言えなかった思いも、会わなかった五年間も。
全て意味のあることだったんだって思えた。