―弟は生意気?  総司&一編―


両親が再婚して兄弟ができる。
そんなの今時珍しいことじゃないけれど。


いきなり双子の弟ができるって。


なかなか珍しくない???




「ねぇ、僕お笑い見たいんだけど。」

「俺はニュースが…。」

「はいだめー!今日はドラマの最終回です!」


テレビのチャンネル争いなんて、兄弟がいる人ならではって感じだよね。
今まで一人っ子だったからなかったけれど。


「だいたい、あんた達、部屋にテレビあるんだから部屋に戻りなさいよ。」

「やだよ、リビングじゃないと飲み物とかお菓子とかすぐとれないじゃん。」


大きいくせに子供っぽいことを言うのは総司。双子の弟のほう。


「俺の部屋のテレビは調子が悪くて今修理に出しているのだが。」


総司と正反対と言っても過言でない落ち着いた性格の一は双子の兄のほう。



二卵生のせいか二人の見た目は全く似ていないけれど。まぁ、姉の私が言うのもなんだけど二人ともイケメンです。


「一、ワンセグって便利なもん持ってるでしょ?それ使ってよー。」

「あ、一君僕の部屋のテレビ使ってもいいよ?僕は諦めてドラマ見るから。」

「俺も残る。」

「どうして?一君ドラマなんて興味ないでしょう?」

「俺が何を見ようと総司には関係ない。」

「あー!ケンカするな!なんですぐもめるかなぁ?」


二人の口論でドラマの会話が聞こえない。
今日は最終回なんだよ!
推理系のドラマで最後見られないとか意味わからないでしょ!


テレビの前のソファに私が座っていると横に総司が座ってきた。
ジュースにお菓子も持ってきて準備万端。
逆側には一が座ってきた。
お茶にグラスが二つ。…二つ?


「飲むか?」

「あ、飲む!ありがとう!一!!!」


笑ってお礼を言うと少し照れた顔をして笑ってくれた。
こういう気がきくところは総司と大違い。


「お菓子食べる?」

「え?ありがとう。」



つんつんと肩をつつかれ振り向くと総司がお菓子の袋を突き出していた。


ひとつ受け取り口に運ぶ。


「おいしー。」

「良かった。」



にこりと総司が笑う。
普段は生意気なんだけどこう笑うと可愛いんだよね。



三人で並んでドラマを見る。
よく考えてみると変だよね。

だって、他にも椅子あるし、床にも座れる。

だけど、私がソファに座っていると何故か二人に挟まれるように座ることが多い。


大きいソファだから狭いことはないけれど。


ドラマがすすみ、私達に会話はなくなった。
人気の推理ものだったんだけど。



「犯人この人だったんだ。」

「え?わからなかったの?僕最初にわかったんだけど。」

「あぁ。単純だったな。」

「え!?二人ともわかってたの!?」


私が誰よりも真剣に見ていたのに?!
悔しいんですけど。



事件の犯人もわかり、もう終わりかなと思っていたのに。


「…。」

「…。」

「…。」



なんで余計な恋愛要素とか入ってくるかな。
まぁ、主人公の刑事とそれを支える助手的なポジションの幼馴染の女の子のコンビが事件を解決していく話だったから。
最後二人がくっつくのはわかるんだけど。


告白シーンからキスシーンから抱きあうシーンとか。

別にたいしたことじゃないけど。


恥ずかしくない!?


兄弟とか親とかとそういうシーン見るの恥ずかしくない!?!?


よりにもよって弟二人に挟まれてるなんて。

ここは平静を装って。



つづくよ→





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