天羽くんはどうやら私が嫌いみたいだ。それに関しては私も苦手だから問題はないんだが嫌いなら嫌いで構わないで欲しい。

「名前ー!」

「はい?」

今日もうるさ…元気に天羽くんが私の教室まで走って来た。私が天羽くんの方を見ると天羽くんは自信満々の笑顔で太陽のような人形に笑った顔がついた発明品を私の顔の前にどんと出した。そして天羽くんがスイッチ的なものを押すとその人形はケタケタと奇妙な音を立てて小刻みに震え出した。

「笑顔になるマシーンにこ山くん!」

「…」

ケタケタケタケタ

「笑顔になるマシーンにこ山くん!!」

「…あ、はい」


こんな感じで毎回奇妙な発明品を私に見せつけてくる。初めはびっくりしたものだが最近は慣れた。私が何も言わないでいると天羽くんは大きな身体を小さくして「ぬぬ…失敗か…」と呟いた。しかしすぐにシャキッと背筋を伸ばすとにこ山くんをポケットに押し込んだ。

「名前は笑ったらもっと可愛くなると思うから今度こそ成功させる!待ってるのだ!」


なななな何?可愛い?誰が?私が?大いに混乱する私を残してぬはははは〜と嵐のように帰って行った天羽くんの背中にちょっとドキドキしたのは秘密です。







可愛いって言葉に免疫がないのです。


君なんて嫌いだ!


prev next
bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -