日曜の昼過ぎ、昼食の片付けをしていたら部屋のドアが開いた。
「名前」
バタンとドアの閉まる音と一緒に聞き覚えのある声に名前を呼ばれる。
「部屋の鍵開いてたぞ。危ねぇな。」
ノックもせず入ってきたくせに何を偉そうに。
「ちょっと勝手に入って来ないでよ。私が着替え中だったらどうする気だったの?」
洗い物を終え手を拭きながら一樹のとこまで行くと一樹は図々しいことに私のベッドの上に座っている。
「ん?押し倒す。」
「ば、バカ!変態!桜士郎!」
桜士郎は悪口なのかよ、と笑う一樹に頬を膨らませるとこっちに来いと手招きされる。
大人しく言われるがまま近寄ると膝の上に座らせられた。そして、良い子だとと抱き締めてくれる一樹からは仄かにコーヒーの香りがした。父親ってこんな感じなのかな。ぼんやりしてたら顎を掴まれキスされた。しかも何回も啄むように繰返す。
「甘い。」
ニヤリと笑う一樹に顔が紅潮するのを感じ目をそらそうとするが一樹の手が顎を掴んでいるので叶わない。
「ちょっと、かずくん、」
制止の声はもちろん彼には届かずまた唇は塞がれる。さっきとは違い離されない唇に息が苦しくなる。口の端からはふはふと酸素を取り込もうと必死になる私を一樹はゆっくり押し倒す。
「…っは、や、やめてよ、かずくん」
「ちょっと黙っとけ、な?」
俺様と称されるこの学園の長に逆らえるはずもなく私は諦めて一樹の首に腕を回した。
本当はもっともっとと求めてる
学園の長と私の話
bkm