「椿、無言で僕の前に突っ立たないでよ。怖いから。」
「あ、ごめん。」
「で、何?」
七海先輩と話した後の昼休み、私は1年宇宙科に居た。実を言うと七海先輩と話した直後の休憩時間に来ようと思っていたんだけど辿りつかず今に至る。
「その、返事はいりますか?」
迷惑そうに眉根をよせる梓に思わず敬語になってしまった。って、主語がないぞ私!いきなり何いっちゃってんのこいつ状態だよ私ぃぃいいいい!!
「えっと、なんかごめん。」
慌てて謝ると梓の顔が少し緩む、そして一気に緩んでそのままくしゃりと笑う。そのままくすくすと小さな声で笑いだした。
「梓?」
「ははっ、はっ」
そんなにおかしなことを言ってしまっただろうか、とだんだん不安になってきたところで梓がすっと手をあげた。
「いらない。いらないよ。」
二度拒否の言葉を口にして、いつもみたいな自信満々な笑顔になる。
「多分、椿は勘違いしてそうだけどおもしろいしこのままにしとくよ。」
「ん?いいならいいけど。」
梓の言葉をよく理解できないまま頷くと梓も嬉しそうに頷いた。
「本当、椿見てると飽きないよ。」
「そう?」
「うん。翼と同じくらい飽きない。」
にこにこする梓の言葉に私は喜ぶべきか落ち込むべきか悩みながらもう一度頷いた。
いいのか、そうかいいのか
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