「なぁ、月子はあいつのことどう思う?」
錫也が堺と一緒に昼飯に行った昼休み。教室は程よくガヤガヤしていてその中で月子はひたすら弁当と向き合っている。その間月子がふぅと息をついたのを見計らって声をかけた。
「ん?あいつって誰?」
「堺。堺椿。」
フォークにくるくるとパスタを巻きつけながら月子はあぁ、堺ちゃんと頷く。
「どう思う?」
「どうって、んー。いい子だよね。あんまり話したことないけど。」
「あいつあんま喋んないもんな。」
「うん。錫也とはたくさんおしゃべりするみたいだけど。」
まぁ、優しいこいつのことだからこんなもんだろうと思った。
「なんで錫也は堺が好きなんだろうな。」
「綺麗だから、とか?なんでもできるし…錫也に聞いてみた方が早いんじゃない?」
食べ終わった弁当を仕舞った月子はじゃあ、部活のミーティングあるからと立ち上がった。
こいつの方が何倍も可愛いのに。
そんな恥ずかしいことを考えて思わずため息をつく。
一人になった昼休み、俺の思考は堺と錫也のことで一杯だ。
午後のひととき
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