朝から宮地君に同窓会をやっぱり欠席する旨を伝えるために話し掛けるチャンスを狙っている。しかし宮地君はいつでも真面目な顔でいらっしゃるのでなんかに集中してるのかも邪魔しちゃ悪いよねってな感じで話し掛けれない。(意気地無しっていうな!)

「なぁなぁなぁ天野何見てんだ?」

昼休み凝りもせずじっと宮地君の様子を伺ってると私と宮地君の間にひょっこりと白鳥君が顔を出した。

「ちょっと、白鳥君邪魔です。」

白鳥君のくねくねの髪をぐっと押したら「じゃ、邪魔とか言うなー!」と泣き出した。そして半泣きのまま私の視線を人差し指でなぞり、指先が宮地君に辿りつく。えぇ!?というオーバーリアクションの後に宮地君と私を交互に見比べた。

「宮地か?宮地なのか!?」

めげずになお私の視線上に顔を出し白鳥君が大きな声を上げた。

「ちょ、声大きい!」

慌てて制止したのにも関わらず白鳥君はいつもの大きな声で宮地君を呼んだ。バカ!今、宮地君真剣な顔でなんか雑誌読んでたじゃん!邪魔しちゃ駄目だよ!

「宮地ぃ!!」

白鳥君がそんな私の焦りなど察してくれるはずがなく、大股でズカズカと宮地君に近寄る。

「む…な、なんだ?」

宮地君はというと近付く白鳥君に気付き読んでた雑誌をさっと机にしまい眉間に皺を寄せた。

「天野が宮地を見つめてたんだぞ!俺も天野に見つめられたい!」

「天野が?」

白鳥君の発言に宮地君は更に眉間の皺を深め私の方を向いた。ですよね!白鳥君の発言は少々語弊がある。見つめるというか様子を伺ってただけだ。

「あの、えっと…」

どう説明しようかとしどろもどろになる私に今度は宮地君が近付いてきた。キラキラな金髪が麗しいってそれどころじゃないぞ私。

まぁそんなに離れてないので宮地君はあっという間に私の席に到達した。

「何か用か?」

真剣な顔でそう言った宮地君。なんかセーフだ。大丈夫そうだ。なんで俺を見てたとか言われなくてよかった。怒られなくて良かった。しかも宮地君と話せそうだし、ちょっとだけ白鳥君に感謝しよう。ちょっとだけ。








20110409
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