女子生徒が自分を含めて二人しかいないこの学園に入学して早、二年目。もう一人の女子、夜久さんとは科も違うわ部活も違うわであまり関われる機会がないので友達と言えば同じクラスの白鳥君位だ(彼は女の子にすこぶる優しい)。そんな私に転機的なものが訪れたのは二年のゴールデンウィーク前だった。


「天野、ちょっといいか?」

近付いたゴールデンウィークに備えて次々と出される課題を何から片付けようかと悩んでいるときだった。白鳥君が昼ご飯まで耐えれないと購買へと駆けて行って一人でさっき出された課題とにらめっこしてると宮地君に話し掛けられた。

「うん。大丈夫です。」

白鳥君とよく一緒に居るが、宮地君に話し掛けられることなんて滅多にないからちょっとぎこちない。

「ありがとう。早速だが天野はゴールデンウィークは実家に帰るのか?」

なんで私が実家に帰るかどうかなんて聞くんだろう。だけど答えない理由もない。

「いや、今年は課題多いから寮に残ろうと思ってるんだ。」

私の言葉を聞いて宮地君が頷いてから口を開く。

「そうか。ゴールデンウィークに中学の同窓会があるらしいんだが、天野は出席するか?」

え?なんで宮地君の中学の同窓会に私が行かなきゃいけないの?

「宮地君の中学の同窓会だよね?やだなぁ、宮地君、誰かと間違えてない?」

流石に単刀直入には言えないので若干遠回しに笑いつつそう伝えると宮地君の眉間の皺が一層深くなった。ヤバい、怒らせちゃったかな?ドキドキしながら見ていると宮地君は腕を組んでため息をついた。

「何を言っている。俺と天野は同じ中学出身だろう。」

「え?わ、私○△中出身だよ?」

「あぁ俺もだ。まぁ天野は3Aで俺は3Fだったから知らないのも無理ない。」

中3のときの私のクラスをぴたり言い当てた(いや、知ってただけか)宮地君に私は二年前を思い出す。そう言えば高校の合格の書類をもらうとき、担任がうちの中学から星月学園に二人も行くとはなぁ、と言っていた。一年間同じクラスで過ごしたのに気が付かなかったとは!私の失礼!!バカ!!

「ご、ごめんなさい、私…」

「大丈夫だ。気にするな。で、同窓会は出席するのか?」

「あ、えと、します。はい。」


私はなぜか立ち上がりながら返事した。












(学年単位の同窓会とかすごい人数になりそうだなぁ)




20110404
同窓会の出欠
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