その数日後、約束通り宮地君からの告白で私たちは恋人同士になった(その様子は恥ずかしいので割愛させて頂く)。

そのことにより、状況に変化はないが私たちの気持ちという面においては大きな変化があったと言える。

私は宮地龍之介が"好き"で、宮地君は天野千歳が"好き"なのだ。

気が付けば宮地君を目で追ってて目が合うと嬉しくて、宮地君のことを考えるだけで苦しくなる。宮地君に努力を褒めてもらえるともっと頑張ろうって思えて、彼と過ごす一瞬一瞬がとても大切。そういうことだ。

「天野、帰るぞ。」

「うん。」

居残り練習の後、暗くなった寮までの道振り返り私を呼ぶ彼の背中を追う。

「危ないから離れるんじゃない。」

「今度から気をつけます。」

私に合わせてくれたのか狭まった歩幅が愛しい。

「天野、明日天体観測しないか?その…二人で。」

きらきらと星が輝く空を見上げて宮地君がつぶやく。

「甘いものでも持って行きましょう。」

そう返すとあからさまに表情を緩める宮地君が可愛くてこっそり笑う。もうさそり座が見つかるだろう。16個の星が見えない線でつながれて輝く蠍であるように、私たちも好きと言う見えない気持ちで繋がれて輝く恋をしたい。



抱き合ったとき、好きという感情を見つけたように、今私の手の横で揺れる宮地君の手を思い切って握ったらまた何か始まるのだろうか。




到着、そして
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