自分の目的を確認した私は自分で言うのもなんだけれど少しばかり成長したんではないかと思う。やはり同じ努力をするにでも目的、目標なるものが曖昧なものだったり自分の中で理解が不十分であるよりか、確固たるものの方が更に努力できるってものだ…

「って、犬飼君、白鳥君聞いて下さい!」

今、私は昨日の部活の練習時間によく分からない言葉によって私の心を掻き乱した二人に食堂で私の願望について説明中だ。しかし白鳥君は船を漕いでいるし、犬飼君はおもしろくなさそうにどこか遠くを見ている。

「んー…」

本格的に夢の中に行ってしまったような白鳥君はもう知らないとして、私は犬飼君に向き合った。

「だから!私の気持ちは犬飼君が思うようなものじゃないの。どちらかと言えば陽日先生的なものなの。」

ね!と胸を張れば犬飼君の視線はやっと私に戻ってきた。視線を戻した犬飼君は珍しくため息なんかついて眼鏡を上げた。

「んー、単刀直入に言うがお前バカだわ。」

「バカ?いや…一学期の期末はクラスで5位以内だったから悪くはないと思うけど…犬飼君クラス1位だったの?」

「ちげぇよ!そういう意味じゃねえ!」

なぜ、この話の流れで学力の問題になるのか謎だったがやはり犬飼君も学力の話をしたいわけじゃなさそうだ。

「分かった。今の天野には何言っても無駄だ。とりあえず天野、インハイ優勝したらまず俺と抱き合え、そして宮地と抱き合うんだいいな?!」

何が分かったのか分からないがどうやら自己解決したらしい犬飼君は私に一方的な命令をしてさっさと食堂から出て行ってしまった。

なんで?
なんでまず犬飼君と抱き合わなきゃいけないのかな?



20110509
犬飼君との約束
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