誉の隣に移動した席は放課後、担任に直されてしまった。残念。しかも今夜の一樹との天体観測が楽しみ過ぎて授業中足をパタパタさせてたら直獅せんせえに幼稚園児かと言われた。
みんなが教室から出た後、私は暇なので誉の日直に付き合って教室に残った。誉の窓側の横に座りまた足をパタパタさせながら右耳を触る。軟骨についたファーストピアスに触れたらじんとした。
「まだ出来上がらないなぁ」
「何が?」
私の独り言に誉が不思議そうな顔をする。
「ひーみーつー」
「えぇー気になるなぁ」
「いいから誉は日誌書きなよー。」
「そうだね。早くして部活に行かなきゃいけないしね。」
「うんうん。急げや急げ。」
誉は日誌に視線を戻し、私は窓の外へ視線を移した。あ、一樹。あと翼と副会長のなんとか君。それからつっこちゃん。なんか一樹たのしそうだなあ。あ、つっこちゃん見て笑った。つっこちゃんも笑ってる。可愛いな本当。てか一樹私が見てるの気付かないかな。
ババババババンッ
「!?ど、どうしたの?」
両手で窓ガラスを叩いたら一樹より先に誉が驚いた顔で私を見た。
「誉はいいから日誌。」
「えっと…うん…」
バババババババンバンッ
続けて叩けばやっと窓の向こう一階下の一樹(とつっこちゃんとその他)が私の方を見た。窓を開けてかずくーんと呼べば窓が割れるからやめろー!!と返って来た。照れ屋だなもう。
18歳時々子供
20110320
子供的高三
[ 10/37 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]