今日は朝から嫌な奴と話してしまった。桜士郎だ。いや変態だ。同じクラスだから顔を見ることまでは我慢というか妥協しているが口は聞きたくない。勝手に人の写真撮るとかありえない。

「星華ちゃんおはよう。」

「…おはよう。」

「ふふ、桜士郎と話でもした?」


なんでもお見通しな誉にそうなの!と抱き付けばよしよししてくれた。誉優しい!もう私、誉の隣がいい!と机をひこずって来て誉の席にぴったしつけたところで横からパシャリと音がした。

「星華ちゃんげっーと」
「…」

横を向けばやはりそこにはゴーグル変態。

「…カメラ貸せよ。」

「嫌だねー星華ちゃんに貸したら壊しそうだからねー」


桜士郎は私より背が高いのをいいことにカメラをぐんと高く掲げた。くそう届かない。これは別名のっぽ先輩な誉に頼んで取ってもらうかと考えたときだった。

「こら、人の彼女を許可なくとるな!」

いつ西洋占星術科の教室に来たのか一樹が桜士郎の手からカメラを取り上げた。

「一樹〜」

「かずくんナイス!」

一樹は取り上げたカメラからフィルムを出してポケットにしまうと本体を桜士郎に返す。

「ああ〜せっかく撮れた星華ちゃんがぁ」

「ゴーグルざまぁ」

「星華ちゃん女の子なんだからざまぁとか使っちゃだめだよ。」

「ごめんなさい。」


一樹に後ろに隠れて桜士郎をバカにしたら誉に怒られた。誉怒ったら怖い怖い。

「で、何でかずくんここにいるの?」

桜士郎が大人しくなったので一樹の背中からさっき移動させた誉の隣に移動する。

「あぁ、今夜は晴れるらしいからお前を天体観測に誘おうと思ってだな。」

一樹がニコっと笑う。桜士郎がデートのお誘いかぁラブラブだねぇと茶化してきやがった。黙れ。

「誘うっつっても私に拒否権はないでしょ?」

「まぁな俺がルールだからな。」

「ですよね。はい、分かりました。今日の夜ね。」

いつも通りな一樹の俺様具合に思わず笑みが零れた。なにより一樹と二人の時間が出来ることが嬉しかった。

「じゃあ夜寮まで迎えに行くな。」

「うん。待ってる。」

「じゃあまた夜に。」

「うん。バイバイ。」


私が手を振ると一樹も私に背中を向けたままひらひらと手を振ってくれた。














ニヤニヤ止まんないぜ





20110318
恋人的招待

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