昼休みになって西洋占星術科を覗いてみたが星華は帰ってきていなかった。

「一樹!」

しょうがないから食堂に行くか、と歩き始めたとき後ろから呼び止められた。振り返ると友人の誉が星華のものであろう鞄を持って教室から出て来た。

「どうした?」

「これ、星華ちゃんの鞄。多分今日戻って来る気ないと思うから届けてあげて。」

「ああ、分かった。わざわざありがとな誉。」

「いえいえ。星華ちゃんをちゃんと叱ってあげてね。」

そう笑いながら誉は鞄を差し出す。受け取った鞄は妙に軽く開けて中身を見るとお菓子しか入って無かった。








昼食を終えてまだ時間があったので放課後するつもりだった仕事を片付けようと生徒会室に来ると中から話声が聞こえた。用もないのに昼休みにここに来るとは夜久か青空くらいか?

がら

「あっ会長」

「うぇ、かずくん」


しかしそこに居たのは夜久と星華だった。てかおいおい彼氏見てうぇってなんだよ。うぇって。夜久は気をきかせたのかすくっと立ち上がり荷物をまとめ出した。

「つっこちゃん帰っちゃうの?」

「はい。急に用事を思い出しました!」

と言いながら俺を見てにっこりと笑う。夜久分かりやすいな。

「えぇ〜さっきまで暇ですねって可愛く笑ってたじゃん!」

「いや、私、羊くんと約束してたんです!」

「あの甘々な彼氏君?」

「えへへ、そうです甘々な彼氏君です。ではまたお話しましょうね巽先輩!」

「うんうん。つっこちゃんならいつでもかまんだよ。ばいばい」


かまんってなんだかまんって。まぁそんなことはどうでもいいが夜久が帰ってやっと星華は今まで丸無視だった俺を見た。

「かずくん、お仕事?」

「あぁ。お前は今までどこで遊んでたんだ?」

星華の隣に腰を掛けると星華は質問には答えず俺の肩に顔を押し付ける。

「かずくんいい匂い。」

あまりに可愛い発言に俺が思わず抱き締めると星華はふふふと満足そうに笑いながら俺の背中に手を伸ばした。






二人の時はただただ可愛いんだ。




20110314
二人的行動

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