星華の風邪は熱も低く酷く無かったから一晩寝たら直ったらしく今朝にはケロリとしていた。昨日俺と星華の秘密を東月に話すと言ったとき星華は何も言わずに聞いていた。自分が反対しても俺の意見は揺るがないそう知っていたのだろう。俺自身、東月に話すことで星華が幸せになるかは分からない。しかし何があろうと俺は星華を守ると決めたし、幸せにするとも決めた。そのために真実を知って俺と平等だと知った東月と俺、どちらといる方が星華が幸せになれるか知りたかった。もしくはただ俺が星華に惚れ込む東月に真実を知らない愛情など愛情ではないと言ってやりたいだけなのかもしれない。
結局なぜ東月に秘密を明かそうとしたか自分でも理解しないうちに東月と向かい会うことになった。


俺の呼び出し放送から少しして生徒会室のドアがノックされた。

「入れ」

「失礼します。」

控え目に発せられた声とは裏腹に東月の目は力強く俺を見ている。

「まぁそこらへんに座れ。」

俺の促しに東月は従わず立ったまま口を開く。

「教えて、頂けるんですね。」

性急なその言葉にため息をつき大きな背もたれに体重を預けた。

「あぁ。何が聞きたい。」

ピリピリとした空気に幼少時代を思い出す。そして東月は幼少時代と変らない瞳で俺を見てはっきりと喋る。


「全てです。」










張り詰める



20110413
迷走的思考

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