いつまでもここに座っている訳にはいかない。今日もいつものように学校はあるし、提出しなきゃいけない課題もある。とりあえず今朝は蟹座寮に行こう。私は大好きな後輩の笑顔を思い出すために目をつむり立ち上がる。しかし、彼を思い出すとつっこちゃんの顔もちらついた。私はつっこちゃんが好きだ。これは本当。だって唯一の女友達だし、しかも良い子だし。可愛いし細いし頑張り屋さんだし、何より一樹が大切にしてる子だから。

一樹が愛でるものを私も愛でたい。だからつっこちゃんも副会長くんも翼も錫也の幼馴染みくんも誉も私の中で大事にしたい。桜士郎も個人的には遠慮したいが一樹の友達だから私のテリトリーには入れてあげる。

前髪が汗で少し湿っていたからシャワーを浴びてから制服に着替える。あ、ブラウスにアイロンかけてないや。上着を着て一樹からもらった(奪った)男物のバックルのベルトを締める。脱いだ寝間着は洗濯の終わったものと混じらないように隅っこに投げる。つっこちゃんと買いに行った黒いニーハイソックスを履いてブーツを履いて紐を締め上げた。


もうすぐ錫也が寮を出る時間だ。



今日二度目の朝の空気は次の季節の匂いがする。











不安定な出掛け


20110331
妥協的行動

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