月子はまだ帰っておらず不安そうな顔でことの次第を見守っているし、星華先輩の隣のベッドには哉太が寝ている。しかも不知火先輩はさっき呟いたきり黙ってしまった。ただでさえ静かな保健室の静寂を破ったのは柔らかな声だった。
「みんな、もうすぐ本鈴なっちゃうよ?」
「部長!」
月子の声に振り向くとそこには金久保先輩が立っていた。
「東月くん、夜久さん教室に送るよ。」
金久保先輩に肩を叩かれてさぁ行こうと促される。
「一樹、いいよね?」
月子の背中を押しながら金久保先輩は振り返りにこっと笑う。別に教室なんだから送ってもらわなくても大丈夫なのに不知火先輩はあぁ、頼むと返した。
「でも、まだ、」
そう食い下がる俺の腕を金久保先輩が強く掴み引く。
「授業始まっちゃうから、ね?」
なおも不安そうな顔の星華先輩と黙ったままの不知火先輩、若干かわいそうだが哉太を置いて俺たちは保健室を出ざるを得なかった。
なにがあるというのか
20110408
金久保様光臨(笑)
打破的展開
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