どうやら七海たちは課題をしに来たらしく、少し会話を交わした後東月に引きずられるように屋上庭園の隅の方へ移動した。


「ねぇかずくん」

「どうした?」

「つっこちゃんと甘々彼氏君手、繋いでたね。」


自分の手を握ったり開いたりしながら星華が呟く。二人きりの時間以外星華は俺にあまり甘えない。自分から手を繋いで欲しいや抱き締めて欲しいなんて言わない。それどころか翼や錫也がいようものなら走って行って抱き締めたりキスしたりしようとする。そんな星華が言わんとすることを汲んで俺が黙って手を握ってやれば力強く握り返してくれた。

「かずくんの手大きいね。」

「お前より背高いからな。」

「人気者だしね。」

「人気と手の大きさは関係ないだろ?」


俺が笑うと星華はニコニコしながら『たくさんの人を抱えなきゃいけないから人気者は手が大きくなきゃだめだよ。』という。
















ならばたくさんの男を魅了するお前の手はなんでこんなに小さいんだろうな






20110321
微小的右手

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