俺様な生徒会長と浮気性な唯一の女子生徒が付き合い始めた。

そんな噂はこのいわば隔離された学園内にあっと言う間に広がった。しかし、その影響は思ったより少なくて女が1人というこの状況で「二番目でいいから。」なんていう酔狂な奴はたくさんいた。

そして私はそれも甘受する。

一方で、このことで私から離れる奴ももちろん居たが拒絶の言葉を受ける度、なぜか一樹が現れた。

「今ので何人目だ?」

「…よん?」

ニコニコしながら怒って去っていく男子を見送り、一樹の質問に答える。

「疑問系かよ。」

「ふふ、私ミステリアスな女だから。」

「本当にな。」

呆れたようにそう言って躊躇いもなく握られた手に私は酷く動揺する。触れられることなどいつものことなのに一樹にされるとどうしたらいいか分からなくなる。

「今日、星、見に行くか。」

「行く。」

星空の下で二人きり、そんなありきたりなロマンチック。お決まりのパターンに私は安心して了承した。



所詮、彼も男だ

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