宮地と苗字が中学の同窓会に行ってから毎朝のことではあるんだが、宮地が俺と話す苗字を凝視している。いや、睨んで・・・る。腕を組んで「むむ」とか言いつつ見てくる。それにしても、俺の前で楽しそうに話しながら笑う苗字可愛い。 「白鳥君、顔、締りがないよ?ちょっとは宮地君みたいにきりっとした方がいいと思います。」 でもそれじゃあ白鳥君じゃないね。そう笑う苗字可愛い。 「おい、白鳥。今日の課題はしてるのか。」 苗字を見てえへへへぇと笑っているといつのまにか宮地がすぐそこに居た。 「し、した!今日はしたぞ!!」 「そうか。」 (いつものことだが)眉間に皺を寄せる宮地に対して焦って答える。俺の返答にはあまり関心がないようだ。苗字を見ると真面目な顔して黙っている。俺と宮地が話しているときは大体こうだ。そんな苗字をちらちらと宮地が見ている。ほほう、苗字狙いと。 「苗字、おはよう。」 たっぷりと時間を空けたあとで宮地がやっと苗字に話しかける。 「お、おはようございます。宮地君。」 その声に跳ねるように顔をあげた苗字は俺と話しているときには見せたことの無いようなふにゃふにゃな笑顔だ。可愛い、可愛いぞ。そして宮地羨ましい!! 「今日も頑張ろう。」 宮地の方も甘いものをみるような優しい顔で苗字に返す。お前は先生かって内容だけど。 「うん。今日も一日努力を怠らないようにすごそうね!」 相変わらず緩い笑顔の苗字。っていうか苗字重い。努力を怠らないようにとか、今日は普通授業しかないよ。 「あぁ。」 って宮地、その返答で満足なのかよ!突っ込めよ!! 「いやいや、普通授業で努力することないだろ。」 ということで俺が変わりに突っ込んだ。 「白鳥、お前は普段からもうちょっと気合入れろ。」 「夜久さん関係以外のことでも努力はしたほうがいいと思うよ?」 グサグサッ! 宮地の視線が怖い。そして苗字の視線が冷たい。 この二人、本気だ・・・ 突っ込んじゃいけない [mokuji] [しおりを挟む] |