午後1時に校門で待ち合わせをして、1時12分に来るバスに乗る。町についたらまっすぐうまい堂に行って目をきらきらさせながらショーケースを見つめる龍を10分待つ。会計を済ませたら一番奥のボックス席の奥に龍が、その向かいに私が座る。で、ゆっくりお話しながらたっぷり一時間かけて買ったスイーツを食べる。ここ最近ずっとこのデートプランだ寸分の狂いもなく。

「飽きた!」

「店で大きな声をだすなんてはしたないだろう。」

さすがに忍耐が切れた私はうまい堂のいつもの席で机を叩いた。しかし、細いスプーンを小さな子供のように握って叫んだ私を龍が眉間に皺を寄せてたしなめただけだ。

「だってだって、最近ずっとデート同じパターンじゃん!!」

「うまい堂のメニューは毎回変わってるが?」

「上手い堂のメニューのことじゃないの!デートプランの話!」

「む・・・楽しくない、と言うことか?」

「そ、そんなことはないけど」

いきなりしゅんとする龍にどきりとするがここでひるんではきっとまた次回もこのプランだ。

「でも、もっと他のとこ行きたいの!あ、ほら天文台と」

必死の思いで新たなプランを提案しようとした私の言葉は最後まで紡がれること無く遮られた。

「っ!?」

「・・・す、すまない!」

龍の唇で。

跳ね返るように開いた差は龍が開けたもので私はただぼーっと龍を見ていた。

「お、怒ってる名前も可愛いと思ってたらつい」

握り締めた拳で口を覆ってそう言った龍。状況と龍の言葉の意味を理解して遅ればせながら赤くなる私。

もうデートのプランのマンネリ化とか龍が私の話を真面目に聞いてなかったのかもしれないってことは気にしたら負けだ。




貴方が居たらそれだけでいいやって思っちゃったじゃない
卑怯さで私を捕まえる

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