眩しい。

金久保誉は私には眩しすぎる。優しくも厳しい彼はその身から光を放ち周りに愛されている。それに反して影に巣くう私は傾いた視線で彼の光から逃げるように過ごす。

「名前さん、今日もいい天気だね。」

「あ、うん。」


しかし私のことを唯一名前で呼ぶ彼は毎日のように私に構う。構わなくていいのに。私の濁りが金久保君の光を濁しそうで怖い。

「ねぇ名前さん。今日、僕の誕生日なんだ。」

「で?」

「好き、な人、からおめでとうって言われたいな、と。」

緊張したように途切れる言葉。金久保君の発する言葉を確認するように繰返せば"そう、僕は名前さんが好きです。"と距離を詰められた。

「す、好き?!」

「うん、名前さんが好きです。」


照れたように眉を下げて笑う金久保君。この人は濁らない。私の濁りなんかでは濁らない。

影の私はきっと彼が放つ優しい光に焼かれて死んでしまうのだ。







照らされる
影で息する私

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