彼女…?


 
※哉太目線


おかしいと思うのは俺だけだろうか。何がおかしいかって言うと俺の幼馴染み東月錫也とその彼女苗字名前だ。

朝、だいたい名前と俺は同じくらいに登校するからもちろん錫也は先に教室にいるわけだ。

「おはよー」

「おはよう。おい、名前リボンが曲がってるぞ。」

「ほんとだーありがとー」
「今朝、食堂来なかったけど朝ご飯食べたのか?」

「食べてないー」

「だろうと思った。はい、おにぎり。」

「わあい!いただきます!」


とまあ毎朝だいたいこんな感じだ。その後も錫也は名前にハンカチ持って来たのか?とか宿題やったか?とか延々と心配する。時々とばっちりみたいに俺にも聞いてくるからうんざりだ。

「錫也、錫也、今日のお昼ご飯なに?」

「ピーマンの肉詰め」

「やーピーマン嫌いー」

「好き嫌いはいけません。」


もう一度いう。名前は錫也の彼女だ。つまりこいつらは付き合ってる。だがこの会話、聞いてるだけだったらお母さんと子供だ。


「なぁ錫也、名前はお前の子供じゃねぇんだから」

「?当たり前だろ?名前は俺の彼女だよ。」

俺がおいおいと口を挟むときょとんとした顔で返してくる。

「いやいや、錫也と名前の会話まるで親子だぜ?」

「え?好きな子は心配してしまうもんだろ?」

ん、まぁ間違ってはないがなんか違うというか…

「錫也ー!おにぎりもう一個」

「はいはい」

名前に呼ばれおにぎりを渡しながら名前の口元についたご飯粒をとる。行動も完全に親子だがまぁ、錫也も名前も嬉しそうだからいい…のか?









20110325

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