君のこととなれば
昼休み彼女に会いに行くと彼女は宮地と会話中だった。しかも時折笑顔を見せている。何を話してるんだ?俺はもやもやしつつ会話の邪魔をするのはだめだろう、と教室の外で待機することにした。
というか名前、その笑顔はだめだ。ここは月子とお前以外はみんな男なんだぞ。狼の群の中の羊状態だ。あの宮地が優しい顔までしてる。それより昼は俺と一緒に食べようって約束したのになんで宮地と話してるんだよ。
そこまで考えたときやっと名前が俺に気付いたようで宮地に手をふりこっちに来た。
「おまたせ、来たなら呼んでくれれば良かったのに。」
「いや、お前が宮地と楽しそうに話てたから邪魔しちゃ悪いと思ってさ。」
俺がそういえば名前は眉を寄せて顔を近付けてきた。その行動俺以外にしたら駄目だからな。
「錫也くん怒ってる!」
「え?怒ってないよ?」
「…」
「!ったい痛い!抓るなよ。ごめんごめん」
笑って怒ってなどいないと言ったら嘘をつくなと頬を抓られた。
「で、なんで怒ってるの?」
こいつはなんて鈍感なんだろう。
「嫉妬ですよ。なぁ、抱き締めていいよな?」
「ふふ、嫉妬とか可愛いなあ錫也くん私でよければどうぞ?」
普段オカンと称される俺だがこいつのこととなったら子供じみたことをしたくなる。
(で、宮地と何話てたんだ?)
(ケーキの話だよ!)
20110318
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