静かにね?
私は今、図書室で梓君と向かい合って宿題をしている。くりくりの目にきれいな黒髪。梓君はいつでも可愛い。そんでもってかっこいい。
「苗字先輩」
「な、何?」
視線は宿題に向いたままの梓君にふいに素敵な声で呼ばれ声が裏返った。はずかしいなもう。
「ふふっ変な声。」
眉を下げてくすくす笑う彼のぱっつん前髪が揺れる。
「わ、笑わないでよ!」
焦って反抗すると梓君が今度はちゃんと私を見てにっこりと笑う。
「先輩、可愛い。」
その発言に私の頭ん中は混乱状態。恥かしいわ、嬉しいわ、梓君かっこいいわで顔がどんどん熱くなる。
「な!?ななななな何をっ!?」
大きな声で不自然な位吃る私に梓君はにっこりと笑顔をキープしたまま人差し指を自分の唇に当ててシッーってした。か、かかかか可愛い!!
そして私に近付き耳元で一言
「静かにしないとキス、しちゃいますよ?」
なんか私、幸せすぎてお星様になっちゃいそうです。
(あ、梓君!?)
(ちゅ)
(!!!ああああ梓君!!)
(図書室では静かにしないとだめなんですよ?)
20110311
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