関係の限界
内心焦った。ずっと友達でいることがこいつにとっても俺にとってもベストだと思っていた。しかし今現在。俺の前で名前はボロボロ泣いている。
「おい、」
「ねぇ、私、たち、いつまで、こうなの?」
ひっくひっくしゃくり上げながら名前は泣く。そして俺は焦る。
「もう、限界。犬飼が、好き、好き過ぎて、辛い。」
私のこと嫌いならいっそ突き放して、名前は細い指で目をゴシゴシ擦って泣く。苦しそうな途切れ途切れの告白に俺はもう戻れないことを知る。
「不細工だなぁ。」
「うえっ?ひ、酷いぃぃ。」
名前の手を取り顔を覗きこむ。
「でも俺もお前が好き過ぎて限界だわ。」
(う、うそ?!)
(嘘じゃねぇよ。)
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