理人×穂高(夜這い編)
AI理人×穂高(俺はこうして毎晩寝込みを襲われてました編)
***
自分の部屋で寝ろっていうのに、理人は毎晩のように穂高の寝室に忍びこんでくる。
母親代わりとして可愛がってきたとはいえ、理人ももう16歳だ。
年頃の男子ふたりが、まるで恋人同士のように寄りそって眠る光景も、そろそろ微笑ましいとは言いがたい。
そこで穂高は考えた。眠ったふりをして、まんまと夜這いにきた理人を説教がてら追い返してやろうと。
一度ピシャリと怒られてしまえば、もう勝手に寝室に入ってくることもないだとうと思ったのだ。
***
深夜2時。今夜はもう理人は来ないんじゃないかと、危うくウトウトしかけていた頃。
寝室のドアが静かに開いて、中に誰かが忍びこんできた。
(うお、来た……!)
悟られないよう、そっと薄目をあけ、入り口をみやる。
廊下から漏れこんだ明かりをバックに、背丈の高い男のシルエットが、ベットの中の穂高に顔を向けて立っていた。
肩幅が大きいわりに顔はちいさく、まるで偏った好みを象徴したかのような、ウネリの強いクセっ毛をヘアバンドで額から上に掻きあげている。
理人で間違いない。
少し様子をみて、理人がベットに潜り込もうとした所を現行犯で叱りつけてやろうと思ったのだが。
ドアが閉まると同時に、瞼の裏側がうっすら眩しくなる。
どうやら理人がベットライトを点けたようだ。
ついで、ベットの肩脇が重みをうけて傾きながら軋んだ。
「ふふ。穂高……今日も可愛い寝顔してんなぁ」
まるで至福の時間を堪能しているかのような、理人の甘い溜息が隣から聞こえてくる。
「……」
な……何。
何なんだ、この状態。
ただ、隣で眠るだけだとばかり思っていたのに。
理人はわざわざ部屋の明かりを点けてまで、穂高の寝顔に見入っているのだ。
もう説教どころではなくなってしまった。
完全に起きるタイミングを逃してしまったからだ。
その後の二人のあいだに流れる気まずさマックスな空気を考えると、いまさら目を開けて「コラ!自分の部屋で寝ろ!」なんて言えないだろう。
「ふふ。穂高のうなじ、いい匂い」
そのうえ、穂高が寝ているのをいい事に、背後からすりより、首のあたりに顔を近づけて鼻をくふんくふんと鳴らしている。
どうやら匂いを嗅いでいるようだ。
「……(ギャァァァ!!)」
もう添い寝どころではない。
どちらかといえば夜這い……いや、変態行為だ。
最早、この時間まで起きていた事にすら後悔していた。
弟の理人の名称が、今夜かぎりでブラコンから変態ストーカーに変わりつつあったからだ。
「……チッ」
かと思えば、ストーカー理人が、今度は不機嫌そうに舌うちしている。
「ユイヤ?誰だよユイヤって」
いかにも嫉妬じみた小声でボソボソとつぶやいているその名前は、先日なりゆきでセックスにまで及んでしまった相手のものだ。
「……」
瞬間、穂高の胸中に、たいへん嫌な予感がはしった。
たしか、ユイヤとはその日のうちにアドレスを交換しあい、数日前にもメールでやりとりしていたからだ。
「……へえ、オトコ。穂高、今度は女じゃなくてオトコができたんだ……。ふぅん、ユイヤねぇ……」
隣でボソボソと呟くストーカー理人の声に聞き耳をたてていた穂高は確信した。
理人が、携帯の履歴までチェックしているということに。
まさか、毎晩だろうか。
いったい、いつからチェックされてたんだろう。
そういえば、いつも彼女ができてもなぜか2〜3か月以上は続かないのだが。
歴代の彼女らは一様に、『穂高のことは嫌いじゃないんだけどね……』と口にしていた事を思いだした。
え……まさか。まさかいままで俺の恋愛がうまく行かなかったのって、コイツのせい?
完全に固まってしまった穂高に、後ろからひとまわりり大きめの腕がまきついてくる。
「また、シメるか……」
理人は意味深な言葉をつぶやき、フウ……、と一度溜息を吐いた。
やがて、瞼の裏が静寂をとりもどしたかのように、暗闇にもどる。
しばらくして、気持ち良さそうな理人の寝息が聞こえてきた。
「…………」
その日穂高は、一睡もできなかったという。
おわり。
あとがきとお礼。
「AI SS(理人×穂高)」にお付き合いありがとうございました。
そして、リクしてくださったサチさま!リクエストとともに、心がいっぱいになった暖かいメッセージをありがとうございました(^^)
最初は自己満足のためだけに書きはじめたBL小説ですが、こうして日々、色々な読者さまとの出会いを生み出してくれる場になれている事、心から嬉しく思います。
数あるサイト様のなかから、「みるくてぃー」に出会ってくれて、本当にありがとうございます!
まだまだ未熟なのですが、これからも、好きなことを一生懸命に貫いていきたいと思います。
リクいただけて、本当に本当にうれしかったです!AIも、いつも読んでくださってありがとうございます(^^)
心から感謝をこめて。
ありがとうございました。
AI理人×穂高(俺はこうして毎晩穂高の寝込みを襲ってます編)
***
自分の部屋で寝ろっていうのに、理人は毎晩のように穂高の寝室に忍びこんでくる。
母親代わりとして可愛がってきたとはいえ、理人ももう16歳だ。
年頃の男子ふたりが、まるで恋人同士のように寄りそって眠る光景も、そろそろ微笑ましいとは言いがたい。
そこで穂高は考えた。眠ったふりをして、まんまと夜這いにきた理人を説教がてら追い返してやろうと。
一度ピシャリと怒られてしまえば、もう勝手に寝室に入ってくることもないだとうと思ったのだ。
***
深夜2時。今夜はもう理人は来ないんじゃないかと、危うくウトウトしかけていた頃。
寝室のドアが静かに開いて、中に誰かが忍びこんできた。
(うお、来た……!)
悟られないよう、そっと薄目をあけ、入り口をみやる。
廊下から漏れこんだ明かりをバックに、背丈の高い男のシルエットが、ベットの中の穂高に顔を向けて立っていた。
肩幅が大きいわりに顔はちいさく、まるで偏った好みを象徴したかのような、ウネリの強いクセっ毛をヘアバンドで額から上に掻きあげている。
理人で間違いない。
少し様子をみて、理人がベットに潜り込もうとした所を現行犯で叱りつけてやろうと思ったのだが。
ドアが閉まると同時に、瞼の裏側がうっすら眩しくなる。
どうやら理人がベットライトを点けたようだ。
ついで、ベットの肩脇が重みをうけて傾きながら軋んだ。
「ふふ。穂高……今日も可愛い寝顔してんなぁ」
まるで至福の時間を堪能しているかのような、理人の甘い溜息が隣から聞こえてくる。
「……」
な……何。
何なんだ、この状態。
ただ、隣で眠るだけだとばかり思っていたのに。
理人はわざわざ部屋の明かりを点けてまで、穂高の寝顔に見入っているのだ。
もう説教どころではなくなってしまった。
完全に起きるタイミングを逃してしまったからだ。
その後の二人のあいだに流れる気まずさマックスな空気を考えると、いまさら目を開けて「コラ!自分の部屋で寝ろ!」なんて言えないだろう。
「ふふ。穂高のうなじ、いい匂い」
そのうえ、穂高が寝ているのをいい事に、背後からすりより、首のあたりに顔を近づけて鼻をくふんくふんと鳴らしている。
どうやら匂いを嗅いでいるようだ。
「……(ギャァァァ!!)」
もう添い寝どころではない。
どちらかといえば夜這い……いや、変態行為だ。
最早、この時間まで起きていた事にすら後悔していた。
弟の理人の名称が、今夜かぎりでブラコンから変態ストーカーに変わりつつあったからだ。
「……チッ」
かと思えば、ストーカー理人が、今度は不機嫌そうに舌うちしている。
「ユイヤ?誰だよユイヤって」
いかにも嫉妬じみた小声でボソボソとつぶやいているその名前は、先日なりゆきでセックスにまで及んでしまった相手のものだ。
「……」
瞬間、穂高の胸中に、たいへん嫌な予感がはしった。
たしか、ユイヤとはその日のうちにアドレスを交換しあい、数日前にもメールでやりとりしていたからだ。
「……へえ、オトコ。穂高、今度は女じゃなくてオトコができたんだ……。ふぅん、ユイヤねぇ……」
隣でボソボソと呟くストーカー理人の声に聞き耳をたてていた穂高は確信した。
理人が、携帯の履歴までチェックしているということに。
まさか、毎晩だろうか。
いったい、いつからチェックされてたんだろう。
そういえば、いつも彼女ができても2〜3か月以上は続かないのだが。
歴代の彼女らは一様に、『穂高のことは嫌いじゃないんだけどね……』と口にしていた事を思いだした。
え……まさか。まさかいままで俺の恋愛がうまく行かなかったのって、コイツのせい?
完全に固まってしまった穂高に、後ろからひとまわりり大きめの腕がまきついてくる。
「また、シメるか……」
理人は意味深な言葉をつぶやき、フウ……、と一度溜息を吐いた。
やがて、瞼の裏が静寂をとりもどしたかのように、暗闇にもどる。
しばらくして、気持ち良さそうな理人の寝息が聞こえてきた。
「…………」
その日穂高は、一睡もできなかったという。
おわり。
あとがきとお礼。
「AI SS(理人×穂高)」にお付き合いありがとうございました。
そして、リクしてくださったサチさま!リクエストとともに、心がいっぱいになった暖かいメッセージをありがとうございました(^^)
最初は自己満足のためだけに書きはじめたBL小説ですが、こうして日々、色々な読者さまとの出会いを生み出してくれる場になれている事、心から嬉しく思います。
数あるサイト様のなかから、「みるくてぃー」に出会ってくれて、本当にありがとうございます!
まだまだ未熟なのですが、これからも、好きなことを一生懸命に貫いていきたいと思います。
リクいただけて、本当に本当にうれしかったです!AIも、いつも読んでくださってありがとうございます(^^)
心から感謝をこめて。
ありがとうございました。
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