バカとワルは高い所がお好き


一方その頃。

志村新八は必死に逃げていた。
船が傾いたことにより様々なものが滑り落ちてくる中、丸太に貼り付けられた神楽を抱え、上からの爆撃と追ってくる鬼兵隊から必死に逃げ回っていた。

「ダメッもう落ちる!助けに来といてなんだけど神楽ちゃん助けてェェェェ!!」
「そりゃねーぜぱっつァん」
「のんきでいいなてめーわよぅ!!」

脇に抱えられた神楽は、ヅラを探しに一人で鬼兵隊の船に乗り込んだけど見つからなかった。なんで銀ちゃんもいないのと呟き、己を抱えて走る新八を不安気に見つめた。


その直後。
ほんの数メートル先を爆破され、衝撃で神楽は船の外に投げ出された。
既の所で神楽の手を掴んだ新八だったが、神楽の体重に丸太の重みが加わり、一人で引き上げるのは容易な事ではない。
新八諸共海へ落下する事に成りかねない状態だった。のだが。


「エリザベス!!こんな所にまで来てくれたんだね!!」

新八の襟を掴み、引き上げてくれたのはエリザベスだった。彼の首が若干締まってたことに関しては触れないでおこう。

いつも通りの無表情で«いろいろ用があってな»と、プラカードを見せるエリザベスだったが、音もなく背後に忍び寄った高杉によってその体を真っ二つに切り裂かれた。
表情を強ばらせる新八達の前に、エリザベスの頭部付近の布がバサりと落ちる。


「オイオイ、いつの間に仮装パーティー会場になったんだ。ガキが来ていい所じゃねーよ、ここは」

「ガキじゃない、」

斬られたエリザベスの半身から発せられた、聞き覚えの有り過ぎる声。自分達が探している人物のもの。

「桂だ」

身構えるより速く、腹部を斬りつけられた高杉はドサリとその場に倒れ込んだ。

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