入学式
4月。
私、苗字名前は本日高校生になりました。
「名前〜気になってた高校はどうだった〜?知ってる子いた?」
「え?あぁ…普通じゃないですか?知り合いは侑子さんの予想通り、いなかったです。」
高校の入学式を終えて帰ってきて早々にカラカラとした笑いを含んだ侑子さんの声が飛んできた。
「でも、隣の席の子とは仲良くなったんですよ」
「それはよかったじゃな〜い!今夜は名前の入学祝いも兼ねてパーッとやりましょ!」
「「パーッとやりましょ!」」
酒が呑めるぞーっ!と言ってるけど、侑子さん普段から呑んでるでしょー、明日の朝は二日酔いだろうから液キャベ用意しとかなきゃ。
夕飯を作るべくエプロンを付けながら台所へ向かう。
ちなみに今日の夕飯は侑子さんが食べたいと言ってたサーモンのカルパッチョとモコナリクエストの冷しゃぶだ。
今日は入学式で疲れ気味だったからそこまで手のかかるものじゃなくてよかった。多少は考慮してくれたのかな?
出来た料理はマルとモロが、用意しておいたお酒はモコナが運んでくれた。今夜はいつもより賑やかな夕飯になりそう。
「さっきからカルパッチョばかり食べてるけど、他のも食べてくださいね、というかちゃんと噛んでますか」
「噛んでるわよ!」