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▼ 2度目まして



必死に説得してくるもんだから、誰かと一緒なら外出を許可した。だってよ、俺に会う為に頑張ったつーんだもん。死んだと思って諦めかけたけど、俺に会いたかったんだと。一緒にお散歩したいんだと。そこまで言われて喜ばないワケねぇだろ?仕方ねぇなって思うだろ? つまり外出禁止は解除。たった1時間しか拘束出来なかった。こいつホント何なの? 怖ェ思いしたんじゃねぇの? 普通外出んの怖がったりしねぇ?



「ヒビも入ってなさそうだな。」

「本当!? 良かった!」


風呂から出て直ぐ手当てしようとしたが、痣の割に骨には異常無かった。


「じゃ、ご飯作ってくるね。」



普通過ぎる。これは強がってんのか?心配されるから遠慮して怖いの我慢してんの?



「なァ、無理して普通にしなくて良いんだぞ。休んどけよ。」

「え?大丈夫だよ?手首も触らなきゃそこまで痛くもないし。」

「……さっきまでかなり震えてたじゃん。無理すんなよ。」

「してないよ?本当にしてない。確かに怖かったよ、死んだと思ったし。だけど生きて銀さん会えたからもう大丈夫、落ち着いた。ありがとうね銀さんのお陰。この世界が物騒なの知ってるしこうゆう事だってあるよね、でもこんな痣程度で済んでラッキーだった。」


へらっと笑いながら言ってきた。マジで言ってんのか?


「死に目にあったってのに、ラッキーだって?」

「死に目にあったのに生きてるんだよ?しかも痣のみで怪我なし。 運良いと思わない?」

「……まぁ、思う。」

「ラッキーでしょ?」


ラッキーなのか?


「それにもう終わった事だし。そんなに引きずる事でも無いよね。」


切り替え早ェなァ。スイッチ押したようにこいつの切り替えは一瞬だな。



「さっき電話したら立ち入り禁止になってなかったそうだ。目撃情報もない。アイツに会ったのは偶然か?」

「偶然以外に何かあるの? 気が付いたら後ろに居たの。」

「会話は無かったのか?」

「地球人か、とか面白いね、とか言われた。後、一緒に来る?って。」

「は? 何だそれ。なんで勧誘されてんの?」

「知らないよ。傘避けたら面白いねって笑ってたよ。ギリギリも良いとこでかわしたのに。」

「興味持たれてんじゃねぇか。」


そうそう会うことも無ェだろうが厄介なのに目ェ付けられたな。



暫くして夕食が運ばれながら、勢い良く階段の上がる音と続けて扉が開く音が聞こえた。あれ多分壊れたな、新八の叫び声も聞こえてきたし。


「名前!!!!」

「はいっ」


扉の壊れる音に入り口を見ていたこいつは、突然自分の名前を叫びながら入ってきた神楽に驚いた顔して返事をした。


「無事アルか!? 」

「えっ、なに、……大丈夫、何とも無いよ、」

「っ、これ、」

「大丈夫、ちょっと赤いだけ。大丈夫だよ。」

「……さっきサドに聞いたネ。……」

「大丈夫、大丈夫だから。ほら見て、どこも怪我して無いし私元気だよ。だからそんな顔しないで。」


名前の手首を見るなり顔を歪ませた神楽に、何度も大丈夫と声をかけその頭を抱き寄せた。


もしかしたら、これもあったのかもしれない。兄貴だって言ったから、もし知られた時にきっと神楽は気にするだろうと普段通りに過ごす事に徹底したんだ。



「っ、ごめんネ。」


いつもなら抱き着く神楽は腕を下ろしたままだ。触るのが怖いんだろうな。


「私、神楽ちゃんに謝らないといけない事があるの。思いっきり蹴っちゃって、かわされたけど、でも顔に傷付けちゃった。ごめんね。」

「……」

その言葉に腕の中でゆっくり上がった神楽の顔には驚きが乗せられていて、そりゃそうだ俺も驚いた。



「まじアルか?」

「うん、この辺に。ごめんね。」


言いながら神楽の手を取りに傷付いた場所を教えるように自分の頬をなぞらせている。


「っ、バカ兄貴の顔なんてどうでも良いネ!名前の顔の方が大事アル!傷付けたらボッコボコに仕返ししてくるヨ!」

「ありがとう、でもそれは危ないから止めよう。」


今度は神楽の両手を持って自分の頬に当て上から手を握り笑って見せた。すげェなおい、どこであんなスキル身に付けてきた。俺やられたら耐えらんねぇかもしんねぇ。


そのまま首に腕を回した神楽を抱き締めている姿を眺めていると、ようやく扉を直し終わったのか新八がやって来て最初驚いた顔して2人を見た後に、ほっとした顔をしながら俺に視線を寄越した。



その後も何をするんでもピッタリくっ付いたままの神楽を、そのまま自分の布団に連れて行って腕の中に収めている。今日は一緒に寝るらしい。


「もう寝たのか、早ェな。」

「ね、一瞬だった。可愛い。」


上から覗き込めば胸元にすがり付くように顔を寄せ眠っている神楽。羨ましい事この上無いが、ここは大人の余裕で我慢する。

電気を消し、背中側から忍び込み布団の上から2人を覆うように腕を置く。


「え?何で銀さんも一緒に寝るの?」

「いやだって背中がら空きだったし。危ねぇだろ?」

「何が?」


疑問を口にしながらも軽く笑い声が漏れてきた。

大人の余裕なんてこんなモン。



「神楽ちゃん凄く柔くて温かいよ。抱き心地最高。」

「オメーも負けてねぇぞ。」

「えっ本当?私もこんな柔い?」

「すげェ柔い。」

「抱き心地良い?」

「最高にな。」

「銀さんも背中の抱き心地最高に良いよ。」

「正面じゃねぇのかよ。」

「だって固いんだもん。」



布団に乗せていた手で前髪を掬上げて顔を覗き見ると口元が楽しそうに笑っている



「居心地は最高に良いけどね。」


目を瞑ったまま言ってくるこいつの瞼に唇を押し当てると、目が開き視線が合わさった。


「……おやすみ。」

「ふふっ、おやすみ銀さん。」


また楽しそうに笑いながら目を瞑った顔に前髪を直して布団の上に腕を戻す。







暑さで目が覚めた。

目を開けると腕の中に神楽ちゃん、肩には銀さんの頭がある。後頭部しか見えないけど多分まだ寝てる。

にしても暑い。特に背中、暑すぎて汗までかいてきた。


出たいけど前も後ろもピッタリくっ付いてるから動けない。


「っ!」

「汗かいてんな。」


突然背中に人の手が触れた。犯人は銀さんだけど、何で直接触るの!?


「や、めてよ、引っ付いてくるから暑いの。汗かいてるし触らないで。」

「ん−、拭いてやろうか?」


布団の中で手の平がゆっくり背中を這う感触。頭は肩に置いたまま、時折襟の隙間から肌に唇がかすってるのが分かる。



「ちょっと!いい加減してよ!」


神楽ちゃんを起こさないように気を付けつつも声が若干大きくなってしまった。


「っ!? んん!」

「静かに。神楽起きんだろ。」


信じられない!止めてって言ってるのに口押さえてまで触る!? 何考えてんのこの人は!


「やっぱ腰細っせェな。こんなんじゃ耐えらんねぇ気がするわ。」


背中を這っていた手が下り、今度は腰を軽く掴むように手の平を置いてきた。


「……っ!んんっ!ん!」


待ってお腹とか本当に無理、しかも直って!
腰から前に下りた手の平が直にお腹に触れてきた。軽く触れる程度の力加減ではあるけどお腹って、…お腹無理。神楽ちゃんから腕を抜いてお腹に触れる手を退かせようとしても力の差がありすぎて意味を成さない。

いや本当に無理、お腹嫌だ。布団の中で必死で止めさせようと抵抗してたら不意に銀さんを止める手が増えた気がした。



「いっ!?てェ!! ちょっと待て!!折れる!折れるからァァ!!!!」

「さっきからベタベタベタベタ触ってんじゃねぇヨ。」

「ちょっ!マジ、ミシミシ言ってる!! タンマタンマ、一回離せ、俺も離れる、な!? もう俺の手もげそうだから!!!!」


やっと背中から熱が離れた。ゆっくり上がった神楽ちゃんの顔は眉間に皺を寄せ不機嫌さが滲み出ている。


「ごめんね神楽ちゃん、起こしちゃったね。でもありがとう。」

「名前は銀ちゃんに甘いアル。もっと嫌がるヨロシ。」


そう言って胸に顔を埋めてきた神楽ちゃん。

何これ可愛い。大変可愛い。元から可愛いけど更に可愛い。

思わず抱き締める腕に力が入る。



「おーい、いつまでそうしてんの。 」

「ふっ、羨ましいアルか銀ちゃん。」

「そのドヤ顔腹立つんですけど。」


立って上から見下ろす銀さんに神楽ちゃんと笑いながら起き上がった。






仕事には銀さんが送ってくれるらしい。


「名前−、今日そよちゃん家に泊まりに行くから私夜居ないアル。」

「えっそうなの? お友達?」

「そうネ!」

「そっか、行く前にお店寄れる?」

「良いアルよ−」


今何もないし、お店の菓子折り買って持って行って貰おうかな。
詰め合わせがあったからそれにしよう。



「名前、今日夜依頼入った。」

「え?そうなの? 今日夜、神楽ちゃん居ないって。」

「あぁ、依頼俺にだから。」

「そっか、なら大丈夫か。」


夜私一人か。……お留守番リベンジ頑張ろう。


「お前も行くぞ。仕事終わって真っ直ぐ行くけど平気か?」

「……私も行って良いの?」

「お−、昨日の今日じゃ流石に心配だしな。」

「あ、ごめんね、ありがとう。」

「いや、つーか、お前も連れて来いって言われてるし」

「私も? 知ってる所?」

「西郷の店、覚えてるか?」


西郷さん?……西郷さんのお店って、確か、……まさか、



「うそ、……会えるの……?」

「あ−、……うん。」

「っ、」

「……そんな喜ぶ? 声も出ねぇ程か?」

「っふ、ぅ、嬉し、…お化粧もうちょいしてくる。」

「は?何で?」

「だって、着飾りたいもん」

「………」



どうしよう、嬉しい、めちゃめちゃ楽しみ。お仕事頑張ろう。






今日は1日いつも以上にウキウキしながら働いていたら色んな人にデートかい?とか聞かれた。


「名前−!」

「あ、神楽ちゃん!」


終わる頃に神楽ちゃんが来てくれた、お昼休みに買っておいた菓子折りを持って渡すと少しびっくりした顔をして、でも喜んで受け取ってくれた。


「そよちゃんも喜ぶアル!食べてみたいって言ってたネ!」

「あんまり和菓子食べない子だった?」

「自由に食べさせて貰えないアルよ。」


どうゆう事? 食事制限あるの?


「食べたら駄目な物とかあるのかな?」

「無いアルよ−、そよちゃんは何でも食べるヨ。」


なら大丈夫……?


「名前ありがとうネ!行って来るアル!」

「うん、行ってらっしゃい!」

「わりーな、気ィ使わせて。」

「あ、銀さん!私が勝手にしてるだけだから、友達アレルギーとかあるわけじゃないよね?あまり考えないで持たせちゃったんだけど。」

「あぁ、大丈夫だろ。」

「そっか。もうすぐ終わるから中で待っててね。」


銀さんに見守られながら片付けを済ませる。


「名前ちゃん銀さんと行くのかい?」

「はい、そうです!」

「…そうかい。楽しそうにしてるから、てっきり銀さんと待ち合わせでもしてるのかと思ってたよ。」

「え?」

「会いたい人に会いに行くって言ってたから。男の人なんだろう?」

「そうですね、男の人です。でもどっちかと言うとハニー?」


おばさんと話していると、突然盛大にむせた銀さんの元に慌てて駆け寄った。


「どうしたの!? お茶熱かった!?」

「お、まえっ、ハニー、って、」

「えっ、いやだって、そうゆうお店だし。」


不思議な顔してるおばさんに挨拶を済ませお店を後にする。







「良く来てくれたわね! 今日は貴女にもサポートお願いしたいのよ。」

「はいっ!何でもします!」

「あら、ありがとう。取り敢えずパー子の付き人して貰うからメイク手伝ってあげてくれる?」

「メイク!? 私が!? 」


良いの!?私がしても良いの!?


こんな事があるなんて。私がパー子ちゃんのメイク……。

今着替えに行った銀さん。そして待つ、パー子ちゃんを。


「着物まじキツイ。何でこんな詰め込まねぇとなんねぇの。」


銀さんの声に振り向くと、……!パー子ちゃん!!スッピンのパー子ちゃん!可愛い。


「パー子ちゃんっ!お久しぶり!」

「いや、さっきまで一緒に居たろ。別人か?」

「スッピンでも可愛いけど、お化粧しよう!」

「聞いてねぇし」






満面の笑みだ。来る前から機嫌はかなり良かったけど、ここに来て更に増した。

椅子に座る俺の目の前に立ち、少し屈みながら俺の顔に化粧を施している。時折指で瞼なら頬やらを触れながら馴染ませているらしいが、近い。顔近いよなこれ。わざとかと思うくらい近い。


「口紅塗るね、口開けて?」


……なんてこった。こんな姿のこんな状況でこんなセリフが聞けるなんざ思いもしなかったわ。


俺が躊躇してると唇の下を人差し指の背でなぞってきた。信じられない。俺にこんな事してこないよねこの子。いやパー子俺だけどよ。


言われた通り軽く唇を開きながら、下ろしてた手を目の前にある身体に回し腰を撫でる。……何も反応しねぇ。気付いてねぇのか? 軽く服の裾から手を入れても全く嫌がる所か反応もしねぇ。朝は嫌がって抵抗したのに。そっと手の平を這わすように背中を撫でる。片方の手で腰を引き寄せて服ん中手ェ入れてんのにこの無反応。マジか? 何呑気にはみ出た口紅指で拭ってんの? もう下着ギリギリまで手ェ上ってんぞ?抵抗はどうした?


「はい、終わり。更に可愛いくなったよ。」


最後に前髪を整えて屈んでいた腰を伸ばした、一緒に背中に触れてた手も離れて化粧品を片付け始めるこいつを呆然とし見ていると、手を動かしながらも俺に話し掛けてきた。


「ねぇ、パー子ちゃん。やっぱりお仕事の関係上お客さんにもお触りしたり、するの?」


……、も!? 気付いてた!? 俺が触ってたの気付いてたの!?……そりゃ気付くか。当たり前だ、あんなベタベタ触られて気付かないワケがねぇ。


「……いや、触んねぇよ。そもそも触られてぇ奴居ねぇし。」

「本当? なら良かった!」


良かった? 俺が他の奴触んないのそんな笑顔で喜ぶ程嬉しいの?……今、パー子だった。俺今パー子じゃん、一瞬飛んでた。え、何、どうゆう事?パー子が他の奴に触るのに今嫉妬した?俺は?おい待て、前言ってた嫉妬ってこれじゃねぇだろうな? 俺であって俺じゃねぇぞ?



化粧の段階で既に疲れた。こいつは常に笑顔で、ステージから下りた俺の額にタオルを当てたり化粧を直したり甲斐甲斐しく世話をしてくれる。


「パー子悪いんだけどお酒届けに行ってくれる?足りなくなって分けて欲しいって電話来たのよ。」

「はいはい。行くぞ。」

「私も行って良いの!?」

「こんな所に置いて行けるわけねぇだろ。」


何吹き込まれるか分かったもんじゃねぇ。


「嬉しい!パー子ちゃんとお出掛けだぁ、」


……俺にもそんな笑顔で言ってくんねぇかな。心の底から嬉しい顔ってこの事か?



「っえ!バー子ちゃん!? 手繋いでるけど良いの!?」


無意識に握ってた。俺は今パー子だ。


「あー、嫌か?」

「何言ってるの!嫌な訳無い!パー子ちゃんが良いのかなって、他のお客さんに見られたら嫉妬されちゃうでしょ?」


何の心配してんの?まぁ、嫌なワケねぇか、こんな姿で手ェ握られんの嫌かな と一瞬思ったけど、こいつパー子に嫌がんねぇんだ。俺相手よか全然。いつもは繋いでも軽く握り返してくる程度なのに、今はしっかり握られてる手。俺の手であって俺の手では無い気がしてきた。握り返すけどな。


店に着き、流石にこの格好で入るのは気が引けるし、中に運ぶのは任せて外にあった樽に腰掛けて待った。

狭い道で人通りは少ない。


「あぁ? オカマかよ。こんな所で客引きかぁ?」


うーわ、酔っぱらいか? 面倒くせェな。


「無視してんじゃねぇよ! ちったァ愛想振り撒いて奉仕でもしろや。」


そう言いながら持っていた缶を俺に投げ付けようとする動きを見せた。

マジで面倒くせェ奴だな。しかもあれ封切ってねぇじゃん。

受け止めるべく片手を上げると構えた手に缶が収まる事はなく、その寸前で誰かの手が片手で缶を受け止めた。

目の前で缶を掴んだ手首には赤い痣。見覚えがあるなんてもんじゃねぇ。見上げればそこに立っているのは名前だ。


「顔に当たったらどうしてくれんの?」


どっから声出してんだってくらい低い声、


「っは、そんなオカマ野郎の顔、傷付こうが何しようが誰も興味ねぇよ。」


その瞬間目の前にある缶が軽く凹み、あろうことか酔っぱらいに向かって勢い良く腕をふった。


投げられると思った男は目を瞑りしゃがんで腕を顔の前に構えガードした、だけど缶は飛んで行くことは無く俺の前に落ちる。その代わりに前に出たのは名前。


素早く男の目の前まで進み、目を開けた男の顔スレスレに勢い良く足を下ろし後ろの壁を蹴り付けた。




「少しでも傷付けたらあんたの顔潰すから。」


腰を屈めてやや小さめの声だったが俺にまでしっかり聞こえた。

顔を青くした男は即座に謝り走って逃げてく。後ろ姿で顔は見えないが、声の低さから言って恐らく殺気入ってる。


投げる振りをして落とされた缶にはハッキリ分かるくらいの指の凹み。


だけど振り返った顔には、さっき同様笑みが浮かんでいた。


「ごめんね、私が戻ってくるのが遅かったばっかりに。大丈夫?」


昨日といい、今日といい、平和な世界で育った筈のこいつは此方の世界に順応してきているのか、それとも元々なのか。意外と大人しくない。つーか、キレると怖ぇな。



「……全然大丈夫よぉ。ありがと、ダーリン。」

「ふふっ、良いのよ、ハニー。行きましょう?」


笑顔で差し出す手を握り腰を浮かせる。指を絡めて握ったのにしっかり握り返される手。


うん、やっぱりパー子も悪くないわね。




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