鬼ごっこ2

(何考えているのかさっぱりわかんないんだけどなぁ。)

酒を飲みながら向かい側の席を見ると 自分が苦手とする銀髪上忍が一人。
綺麗どころに囲まれているというのに、喜ぶどころか寧ろ邪魔に思っているような態度だ。

(羨ましいな、畜生…)
今ここで"報告書を早く出すように"なんて口にしてしまえば 回りのくの一の反感を買うばかりか、飲み会まで仕事の話をする堅物だと思われてしまう。

イルカは羨やむ思いを掻き消すかのように 一気に酒を飲み干し厠へ向かった。


「イルカ先生、楽しめましたかぁ?」
用を足していると、後ろから声がかかる。
「え、えぇ。まあ」
ナルト達を介したからといっても、受付でたまにしか話さないカカシが まさか自分に声をかけるなんて思わなかった為 曖昧な返答しか出来なかった。

カカシはイルカの隣に来たものの 用を足す素振りを見せない。
「あの、カカシ先生?」
カカシの視線の先はイルカの下半身に注がれ、いたたまれなくなったイルカは不審がって名前を呼んだ。
「そういえばイルカ先生 さっきオレの事、見てましたよね。話したい事でもあったんですか?」
カカシの発言に イルカの脳内は不審なカカシの事から報告書の事に塗りかえられ 報告書の事を伝えたのだった。

「せっかく羽を伸ばす為の飲み会なのに、こんな時にまですみませんね。」
手を洗いながらカカシに意識を向けてみると いささかうんざりしてるようにも見えたが
やはりイルカにはカカシの感情は読みとれなかった。
「このまま一緒にふけません?」
「はいっ!?」
突然の申し出に混乱していると、カカシはイルカの片手を掴んでずんずんと店の出入口へと進んでいく。
「カカシー、もう帰るの〜?」
先程までカカシの回りに群がって飲んでいたくの一達からの視線が痛い。
「大切な報告書の話するから、今日はここまで〜」
(さっき話し終わっただろ!)
と心の中のツッコミをなんとか飲み込み、そのまま店の外まで連れ出されてしまった。


2010/8/6
- 5 -

[*<<] | [>>#]
ページ:
[戻る]
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -