ものごとすべてはほどほどに6


「‥‥‥もう、もう良いんです」
なおも涙は止まらない。
「悪いのは‥オレなんだから。イルカ先生にしてみたら酔いの勢いなのに、オレ、勝手に浮かれて‥‥‥」
見ているだけでこちらまで痛みが伝わってくるような、そんな悲痛な泣き方をしている。
「カカシ、さん」
だからだらうか。こんなにも俺まで胸の奥が痛くなるのは。
先程から感じている動機がカカシさんを見つめることで更に酷くなり、もう目眩がしてきそうだ。
一体、原因は‥‥。
「押しかけてすみませんでした。‥帰ります」
すっ、と口布を引き上げようとするその手を 衝動的に俺は掴んだ。
「俺は‥どうやったらアナタが泣き止むかを聞いてるんです」
胸が苦しいこの感覚は 以前にもどこかで感じたことがある気がして。
「‥‥‥好きだと、最後にそう言ってください」
大粒の涙を零す姿を見て、また胸がとびはねた。
この感情は確か。

「‥‥‥好きですよ。俺だって」
そう口から発してみて この気持ちには
この言葉がピッタリだと気が付いたのだ。



結局 酔いの勢いとそれに伴う勘違いやドタバタの末に、俺達二人は付き合うことになった。
最初は頭がついていかなかった俺も、カカシさんの勢いに感化されてしまったのか
いつの間にやら彼のことが好きになっていたし。

今回のことでお酒を飲む量はほどほどにすべきだな、と反省した半面
「やー。両思いになれて、本当に良かったです!!」
と昨日と同じく肉体関係にまで事を進めてしまうカカシさんの体力もほどほどにして欲しい、と布団の中で感じたのだった。


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無理矢理6頁に押し込めようとしたらこんな終わり方になりました。
でも、オロオロしだしたかと思えば 最終的には調子に乗ってる辺りがカカシさんだと思います!

2011/03/21 黒月 カイム
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