幸せな‥‥

「しばらく俺の家に来ないでください」
イルカ先生からのそのセリフに 思考回路がストップした。
いや、バレンタインにチョコが欲しいってただをこねた俺も悪いですよ。
でも いくらなんでも人が固まってる時に家から閉め出すことはないでしょ。
「先生ー、オレが悪かったです!謝りますからー!」
玄関の前で必死に訴えてみても まるで反応がない。
イルカ先生が怒った先生は全くもって聞く耳を持たない質(たち)なのは分かってる。
(まぁ、まだ一週間もあるし。‥‥ね)
だから時間をかけなきゃ仲直りは出来ないと判断して この日は一人寂しく自宅へ帰ったのだった。

変化は翌日から起こった。
先生の家にどうやっても忍び込むことができないのだ!
「一体どうして‥‥‥」
終業後、せめて先生と一緒に帰るだけでも。と、受付やアカデミーを探してみても イルカ先生の姿は見当たらず。
そこで先生の自宅に向かってみたら 案の定すでに先生は帰ってきていた。
『来ないでください』
あの一言が深く胸に突き刺さったままだったが、この寂しい関係のままバレンタインを迎えてはいられないっ。
そう思い何度忍び込もうとしたが、結果的には入り込めなかった。
おそらく、紅かアスマに頼んで強力な結界の札でもこしらえてもらったんだろう。
「センセー。まだ怒っていますか〜?」
気配はあるのに反応は無く‥‥‥。
泣きたい気持ちになりながら この日もやはり自宅に帰るしかなかった。

しかしそんな状態が5日も続くと いくら懐の広いオレでも、だんだん我慢がきかなくなってきた。
家がダメなら、と受付やアカデミーで必死こいて先生の姿をを探したのも虚しく‥‥
いつもすんでのところで逃げられてしまう。

ついにバレンタイン前日までその状態が続き、次の日オレは上忍待機所に駆け込んだ。もう我慢の限界だ。


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