温かさ2

「カカシさん、なんだかすみません」
「やだな〜、オレ達の仲じゃないですかぁ」
「や。そうじゃなくて」
会話の意図をよみとれなかったカカシさんは、少し不安そうな表情になる。
「最近、カカシさんが職場に迎えに来てくれないから てっきり飽きてきたのかな、と思って」
「そんな!」
「だからこうやって待っててもらえて嬉しいんです」
嬉しさを表すように笑顔を向けたら、今度は顔を赤くしちゃったよ。この人。

「心配させちゃいましたね。迎えに行かなくなったのはちゃんと理由があるんです」
「どうしてです?」
今度はコチラが耳をかたむける番だ。
「ほら、オレ冷え症っていうか四六時中手が冷たい人間じゃないですか」
「はぁ、」
「それじゃ、イルカ先生の手を帰る途中で温めてあげることできないでしょ。だから家の中を温かくして待つことにしたんです」
満面の笑みで
「そのほうがイルカ先生嬉しいでしょ?」
と言われれば反論できず、
「ありがとうございます」
そう二人で笑いあった。

一一一一一
「イルカ先生。オレが温めておいたのは家だけじゃないんですよ」
「他に何を?」
「二人の布団を床暖や湯たんぽで温めました!」
「信長の草履を温めてた秀吉じゃあるまいし、褒美はあげませんよ」
「それなら先生、温かい布団で二人でぬくぬくすればより温かく‥‥」
「既に温かいなら、二人で温める必要ないじゃないですか」
「そんなぁああ!」


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拍手:2010/11/23
移動:2010/12/31 黒月 カイム
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