温かさ

今日も来ない。
昨日も来てない。

ここ最近、カカシさんが俺を迎えにくることがめっきりとなくなった。
前だったら嫌でも毎日"イルカ先生〜"とかって職場に来たくせに。
倦怠期ってやつか?

いや別に夜道を一人で帰るのが淋しいとか思ってるわけじゃないぞ!

ただ、
そう。ただ こうやって時間が経つにつれて、どんどん距離が開いていくのかと思うと
なんだかやるせない気持ちになる。
結局、今日も迎えが来ないまま仕事が終り 一人で帰るはめになる。

暗くなった夜道に 消えかけそうな街灯が点々と列んでいる。
(今だったら‥‥‥)
今、カカシさんと一緒に帰ってたら 人気もないから手を繋ぐこともできるのに。

涙の代わりに白いため息が出た。


家の前まで来れば、窓に明かりがついているのに気づいた。
「カカシさん!?」
まさか家に来ているとは思わず、玄関へ急ぐ。

「おかえりなさ〜い」

戸を開けると、暖かい室温に なんだかホッとする。
「夕飯作っておきましたから、一緒に食べましょーVv」
ベストを脱ぐなど支度をすませて 食卓につけば、既に温かい料理が並べられていた。


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