結婚事情8

「それをオレに伝えて、イルカ先生はどうなさるおつもりですか?」
カカシは静かにイルカの横へと腰をおろす。
「俺は男ですし、カカシさんと釣り合わないなんて事は 既に理解しました。だけど‥‥‥これ以上は辛いんです。カカシさんと一緒にいるのが」
とめどなく溢れる涙で 着物にシミをつくらないように、とイルカは両手で目を覆った。
「もう、ここには来ません。カカシさんの前にも」
イルカはカカシを好きになってしまった事を今さらながら心底後悔していた。
「イルカ先生。オレの好きな人は、優しすぎるくらいの人だと言いましたよね」
「もう、何も‥‥!」

「先生」

イルカの言葉はカカシの台詞と、触れるだけのキスで遮られた。
「オレの好きな人は、優しすぎる上にお人よしで おまけに泣き虫みたいです」
「‥‥なん、で」
頬の涙を拭うカカシは 少し困ったような笑みをうかべた。
「騙すような事してすみません。でも、ちゃんと言いましたよね。終わったら好きな人にアプローチしますって」
「そんな」
「だから」
錯乱しきった頭では カカシが何を言っているのか分からないままだった。
「好きです、イルカ先生。本気で結婚したいくらいに」



イルカが全てを理解したのはカカシに、そう抱き着かれてからだった。


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長らくお待たせしました〜
え?だれも待っていないって?
とりあえず やっと無事完結できました。

2010/12/17 黒月 カイム
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