結婚事情7

「‥‥‥見合いの話は今後一切、お主には持ちかけぬ」
涙が頬に伝っていた。
「‥‥ありがとうございます!」
カカシがとても嬉しそうに隣で頭を下げている。
「だがアシカを認めたわけではない。カカシはお主自身で、もっと相応しい相手を見つけよ」
「今日はこれにて失礼する」
二人のご意見番は そう言うとそそくさと部屋を出ていってしまった。
イルカは感情が高ぶりすぎた反動か かるく放心状態だった。
「‥‥先生。化粧拭き取りましょう」
その言葉で、イルカはやっと覚醒した。
(無事に終わった‥‥)
しかも当初の予定通り、見合い話だけを片付けて。
イルカの化粧は涙を流した程度ではくずれなかったのに カカシはイルカの化粧を落としていく。



イルカが着物を脱ぐ為にまたあの家へと戻る頃には、日は既に暮れていた。
「一瞬ビックリしましたけど、やっぱりイルカ先生に頼んで正解でした。あのご意見番を説得できるなんて」
イルカは姿見の前に座り込んだ状態から、振り返った。
嬉しそうに笑うカカシの顔が滲んで見える。
目頭が熱く そのうちポロポロと涙がまた イルカの目から零れ落ちてきた。
「!?、どうかしましたか?オレ 何かいけない事でも」
「演技じゃ‥‥‥」
「?」
ひどく不安定だった。極度の緊張の後だったせいもあるかもしれないけど、
「演技じゃ、なかっ‥たん、です」
「それ、どういう」
「‥‥‥好きなんです」
かけ寄ってきたカカシの動きが途端に固まる。
「カカシさんの事が、好きです」
両目の涙は音をたてずに 頬を伝い落ちた。

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次回でラストになるか!?

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