結婚事情2

二日酔いの頭が痛む。
(昨日カカシさんと飲み過ぎたかな。いや)
頭痛の原因の半分は 昨夜のカカシからの協力要請にあった。

カカシの言い分はこうだった。
自分には結婚したい程好いた相手がいるのに、ご意見番などからのお見合いの話が後を絶たない。
その相手とは まだ恋人まで発展してないので、これからアプローチしていく予定。
そこで、お見合いの話が噂などで相手の耳に入るのを止めるべくご意見番に話をつけたい。
たが 一人で抗議しても無意味だった。
だから イルカに変化で恋人のふりをしてもらい 二人で抗議しにきてほしい!

‥‥‥という事だそうだ。
(最後の展開の仕方が明らかに異常だ。)
昨日散々悩んだ事を繰り返し思う。
けど 引き受けたのにはそれなりの訳があった。

『お願いします。こんな事を頼めるのはイルカ先生しかいないんです』
まさかカカシさんが自分にむかって土下座するなんて思わなかった。
それ程真剣だったという事だけど。
『よりによって、何でそんな大事な時に代役なんか使うんです? 意中の方と早く恋人になって、二人でご意見番のもとに行くべきでしょう!』
あまりの事の大きさにすっかり酔いも覚めていた。
『非常識だってのは分かってます。けど、もし"あの人"と一緒に行って"相応しい身分じゃない"とか言われたらどうするんです?』
確かに、あの堅物のご意見番達なら言いかねない台詞だった。
『無理に結婚しようとすれば絶対邪魔されるでしょうし、何より"あの人"は優し過ぎるくらいの人だから そう言われたらきっとオレの側からいなくなってしまいます』
最後のほうは声がかなり弱々しくなっていた。
三ヶ月もいろいろな言葉を交わしていたのに、ここまで弱ったカカシは初めてだ。
『それに、時間もないんです』
なんの時間か、と下げていた目線をあげた時に イルカは息をのんだ。
『ちんたらしていたら、あっという間に殉死してしまう世界なんです』

その言葉で、イルカは協力しようと決めたのだった。


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