アザレア(白)
いつも隣でニコニコ笑ってくれて、いつも一緒に居てくれる大好きな彼。
「夏の初戦、強い所なんだって?ムリじゃない?」
「ムリじゃねーよ!《弱気はダメ!》…モモカンのマネ(笑)」
「ごめん、そのネタわかんない;;」
いつもの日常。ちょうど大会の対戦相手が今日決まった。浜田が強い所とか言って心配になって部活終わった時間に家に尋ねた彼女。
「浜田くんに聞いたけど部活の時間増やすんでしょ?…あまりムリしちゃダメだよ」
「名前は心配しすぎだって。全然平気だし大会だって勝つ!!」
「そう言って悠一郎はムリするから…、」
「名前を甲子園に連れてくって約束したから負けるわけには行かないだろ?何がなんでも勝つ!ゲンミツに!」
小さい頃の約束。たかが子供の口約束。そんな昔の事を覚えててくれたんだ…。嬉しい…。そう思っていると彼は右手の小指を出した。不思議に思っていると先程までニコニコしていた彼の表情が真剣な表情に変わった。
「…悠一郎?」
「…俺、野球ばっかやってて馬鹿だし名前に釣り合わないかもしれない。部活ばっかで寂しい思いさせてるかもしれない。でも本気で名前が好きだからな…」
「うん…//」
「だから…名前の為にも絶対に勝つって約束する。ゲンミツにな!」
そう言って彼はニコッと笑った。差し出された彼の小指に自分の小指を絡めて約束を交わした。
あなたに愛されて幸せ