「やあ、ケニー。遊びにきたよ!」
家にカイルが遊びに来た。
何故か他の二人はいない。
なんで1人なのか話を聞いてみると、スタンはお姉ちゃんにお使いを頼まれたらしくて、カートマンはママと出掛けたらしい。

スタンは大変そうだな、とか考えながらカイルに話しかけた。
「とりあえず、部屋行こっか。」
「うん、ケニーと二人なんて考えてみると久々だね」
カイルが笑いながら言った。
そんな事言われると、二人だけって意識してしまう。
自分の後ろを歩くカイルをちらっと見るとついて来ている姿がすごく可愛かった。

自分の部屋についたのでドアをあけ、カイルを入れる。
「どうぞ、お菓子あるか探してくるね」
「うん、わかった」

僕は自分の部屋を出て台所に行った。

パパがお酒飲んでるかと思ったけどいなかった。
という事は、今家には僕とカイルしかいない…。
二人だけ。二人だけ…。
僕は男が好きな訳じゃないはずなんだけどなあ…。
でもカイルは可愛いんだよね。
カートマンとケンカしてたりする時強がっているのを見ると、すごく可愛いと思うし。

そんな事を考えながら部屋に入ると、僕のベッドに寝ながら僕のエロ本を読むカイルがいた。
「おかえりケニー、またこういう本買ったの?」
「まあ、拾っただけだよ。面白いし好きだからね。」
パラパラとページをめくりながらあー…とかえ…?とか言っている。
可愛いなあ、とか思いながら隣でカイルを見ていた。

「なんかすごいね…僕が知らない事ばっかりだよ…」
「カイルは知らない方がいいよ、まだ早いって」
笑ながら言うと、カイルが少し不機嫌そうな顔をした。
「なんだよまだ早いって!ケニーと同い年じゃんか…」
「じゃあ知りたいの?」
僕はカイルの顔を覗き込んでニコっと笑ってみた。少し顔を赤くしていたカイルの顔が目に入る。
「そうじゃないけどさ…ケニーにまだ早いとか言われると少しむかつくというか…、ダメって言われると知りたくなるでしょ?」

そう言われるとそう思う。
でもカイルは可愛いからそういう事はまだあんまり知ってほしくないかも。
…みんなよりは知ってるとは思うけど、カイルも。

「おいケニー?聞いてんの?教えろって!」
顔を近づけてくる、どうしよう…可愛いな。
「そんなに知りたいの?」
僕は寝ているカイルの上に覆いかぶさる。
「まあ、気になるし…」
「じゃあ教えてあげる」
僕はカイルに顔を近づけていく。
どんどん近づいてくるカイルの顔。
カイルはぎゅっと目を瞑っている、……誘ってる?それはないかな。
もっと顔を近づけて、あと少しで唇が触れてしまうくらいの距離まで近付いた。
そのときだった

「やあケニー!お使いおわったからカートマンと一緒に遊びに来たぞっ………何してんの。」
「あ、スタン。」
部屋にスタンが入って来た。
僕はいそいでカイルから離れる。
「おまえら……なにしてたんだよ。」
スタンが不思議そうな顔で見てくる。
そのあと部屋にカートマンも入ってきた。
「おい!お前ら二人でなにしてたんだよ!教えろケニー!」
「秘密」
にこっと笑ってカイルの方を向く。
「はあー?教えろよ!」
「秘密なものは秘密なんだよ!」
「なんだとこの!」
カイルが反抗するとカートマンが騒いでいつも通りカートマンとカイルが騒ぎ出した。
その時カイルをふと見たら目があって微笑んでくれた。

どきり、と胸から音がした。
カイルを好きなのはまだ、秘密にしておこう。

end






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テーマ「人外ファンタジー」
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