「財前財前!今日誕生日なんやってな!」
「……先輩やかましいっす」
今日は財前の誕生日やし、小春も構ってくれへんし…
という事で財前をいじりに来たんや!
「なんやつれへんなあ、誕生日やのに…」
「先輩の誕生日じゃあらへんし関係ないやろ」
ほんまこいつも冷たいなあ…でもわいは諦めへんで…!
「まあまあ、一年に一度の誕生日なんやで?今日くらいは甘えればええやん!ほら!」
俺は両手を広げる。
財前は少し嫌そうな顔をしたが、俺の方へ歩いて来て抱きついてきたってええええ嘘やろ!?
「……じゃあ先輩に少し甘えさせて貰うっすわ…」
「えっちょっちょっ」
こいつむちゃくちゃ可愛いんやけど…!
このままぎゅってしてお持ち帰りしてやりたいわ…!
「ざ…財前…?そんなに可愛い事すると俺の理性がやばいんやけど…」
「……先輩がいいって言ったんじゃないすか…」
財前が少し顔を赤くする。
マジかわええ…かわええ…本気でやばい
「財前…俺…」
俺が財前をぎゅっと抱きしめ顔を近付けた時だった。
「なーんて、俺がそんな簡単にキスされると思ったんすか?」
財前がにやにやしながら離れる。
「財前…お前騙してたんか…!」
「騙したんやなくて、こういう事っす」
財前がくるっとこっちを向き頬にキスをしてきた。
一瞬の事に頭がついていかへん。
い…いま……
「なんすかその顔…っ」
財前が少し笑った。むちゃくちゃかわええ。
「先輩からキスするなんて百年早いっすわ!」
財前は俺を見ながら走って行く。
「………待ちいや財前…っ!俺からもお返ししたる!」
「結構っすわ!」
俺は財前を追いかけた。
……俺の誕生日には絶対お返ししたる…!


end




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -