「宍戸さんー!」
「お、なんだよ長太郎。」
あいつらまたイチャイチャしてやがる…。この俺様が目の前にいるってのに…。
しかも俺は宍戸の事が好きだ。それを鳳は知っているってのに見せつけやがって…!
俺はあいつらが仲が良いのかを一生懸命考え、ひらめいた。

「なるほど…名前じゃねーの…!?」
俺と宍戸はお互い名字で呼び合っている。
だが、宍戸は鳳の事を「長太郎」と、名前で呼んでいる。
そこだったのか…。やっと気付いたぜ…。
と、いう事で俺は宍戸を名前で呼んでみる事にした。
「おい、りょっ……宍戸。」
「あ?なんだよ跡部?」
この俺様が手こずるなんて…。いつも呼ばねえから緊張する…。
深呼吸をし、再チャレンジに挑もうとした時だった。
「宍戸さん、俺らダブルスですし宍戸さんの事名前で呼んでもいいですか?」
「ああ、いいぜ。俺も名前で呼んでるしな。」
「ありがとうございます!じゃあこれからは亮さんですね!」
………あいつ…!!先越しやがって…!しかもこっち見て笑ってるって事は確信犯か…!
だがこれはチャンスだ。この流れにのって俺も自然に呼んでみる。
「よし、俺も名前で呼んでやろうじゃねえか。」
「は?なんだよその超上から目線。」
「いいから呼ばれてろ、りょ…亮。」
やっと言えた…!!緊張したが、まあ流石俺様だな。
「じゃあ俺も景吾って呼ぼうか?」
「はっ……!?けっ…け…景吾!?」
こいつに名前で呼ばれるとか…俺様が保たねえ…!!
しかも景吾って呼んだ時の声が可愛すぎて脳内でエコーしている。
「や…やっぱり名字でいい…!!」
俺は耐えきれずその場から走り去った。
くそ…心臓バクバクだぜ…。
「あいつ…どうしたんだ?」
「ははは…」
しばらくは名字のままで呼んでもらうぜ…。
いつか名前呼んでやるからな!
待ってろよ亮!!と、俺は心の中で呼んでみた。


end


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