「なあ、財前。ちょっと先輩からの頼み聞いてくれへんか?」
昼休み屋上で昼寝をしていたらユウジ先輩がやって来た。
「…なんスか」
「頼む!俺とセックスしてくれや!」
「はあ?先輩一回死んだ方がいいんじゃないすか?」
いきなり何かと思ったわ、本当アホちゃうかこの先輩。
「頼むで…!お前見とるとムラムラして仕方ないねん!」
手を合わせて必死に頼んでくる。ほんまアホや。
「…小春先輩はどうしたんすか」
「小春は好きや!でもそういうことしたい訳ではないねん」
じゃあ俺はなんなんや。
「だからっていきなりセックスはないっす先輩」
「じゃあキスしよ!キスならええやろ?」
そういう問題ちゃうわ、そういう…
「そもそも、そういう事は好きな子とするもんやし」
「…まあ、そやけど…」

俺は何を期待してたんやろ、別にこない変態な先輩の事なんか好きでもないし。
「キスだけでも…あかん?」
先輩の顔が近付いてくる、俺は先輩の肩を掴みぐいっと押しのけた。
「っ……いい加減にして下さい…っ!」
俺の気持ちも知らんで…
少し気まずい雰囲気が流れる。
顔を見れなくてそらしているといきなり抱きしめられた。
「…財前、好きや。」
「……っ」
いきなりの事で言葉が出ない。
「財前……いや、光。好きや、愛しとる。」
強く抱きしめられたと思ったら優しくキスされた。
優しくて、長くて、深いキス。
「っ………先輩…マジでっ…」
「…すまん、…怒っとるか?」
本当にキスされるとは思わんかった。
「……お前、顔真っ赤やし」
また抱きしめられた。ぎゅっと手を握られてまた恥ずかしくなる。
「先輩なんか…ホモやし、変態やし…」
また言えへん、また素直に…。
ちゃんと言わなあかんねん…。
「なんでこんな先輩…っ…好きなんやろ…」
やっと、やっと、口からこぼれてくれた。
「あほ、こんな俺やから、やろ?」
先輩がにこっと笑った。
その顔が今までで一番かっこいい気がした。
「じゃ、キスしたし今度一緒にデート行こ!」
「……順番逆やし…。」
そないな事気にしたらあかん!ってまた先輩が笑った。
…恋、してもうた。


end


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