「シーズーちゃんっ!こんばんは!」
八月一日の夜、俺はシズちゃんの家のインターホンを押し、シズちゃんが出てくるのを待っていた。
まあ…なかなか開かないんだけどね…?そりゃあ、嫌われてはいるけど!
だけど!一応恋人同士だし!
大好きな俺が来てあげたんだし出てくるはず!

「ねえ!開けてよ!無視しないでって!シズちゃんの大好きなプリン持ってきたから!」
インターホンを連打しているとやっとシズちゃんが出て来てくれた。

「ああもううるせぇ!テレビに幽が出てんだから静かにしろ!」
ああ、弟くんね…はいはい。
本当、弟の事ばっかりでむかつくなあ…。

まあ俺は彼氏!弟はただの弟!俺の方が絶対シズちゃんの脳内を締めているよね!だって彼氏だもん!
「ごめんごめん!あ、上がっていい?」

俺は玄関に入り、返事を聞かずに靴を脱ぎ家に上がる。
リビングにあるテレビには弟くん。
ああ、むかつく!
「で、なんで来たんだよ。」
「用がないと来ちゃダメ?恋人なのに?」
「……早く帰れ。」
「冗談冗談!今日は用がある!」

持ってきたプリンをシズちゃんに渡して、俺は本題に入る事にした。
「じゃあシズちゃんに問題です、今日は何月何日でしょう?」

「は?八月の一日だろ」
横の壁に掛かっているカレンダーを確認して答えた。
「正解!じゃあ八月一日はなんの日?」
「は…はち…いち…や…ひとつ…」
シズちゃんは語呂合わせで使えそうな言葉を探している。
それなら分かるかなあ?

「……答えはなんだよ」
「え?分からないの?簡単なのに?」
「追い出すぞ…?」
シズちゃんの目が結構本気だった…。

「あはは、ごめん!正解はー……おっぱいの日でした!」
しーん……と二人っきりのリビングが静まりかえった。
テレビの音はするけど…あれ、しらけた?
「ねえ、ねえ!答え言ったんだからなんかリアクションとってよ!」

「……変態だな、さっさと帰れよ。」
シズちゃんの目がめちゃくちゃ冷たい!やばい!怖いよ!
「シズちゃんのおっぱい見るまで帰らないし!」
俺はシズちゃんの方へ歩み寄る。
そのワイシャツ…!ひっぺがす…!シズちゃん覚悟!
と思ったのに気がついたら目の前が天井で、頭がすごく痛くて。
やられてしまった…シズちゃんに。

「変態もいい加減にしろよ…?誰がそんなの見せるか…!」
胸元を抑えながらシズちゃんがこっちを見ている。
ああ…高校の時を思い出すよ。
あれは忘れもしない…シズちゃんとの初対面…。
俺がシズちゃんの胸元を切って……!

そうだ!俺はかまいたちじゃないか!ははは、忘れてた!
俺はこっそりポケットに入っているナイフを取り出し、ばれないようにシズちゃんに近寄る。
「シズちゃんシズちゃん!」
「あ?なんだ……っ!」
シズちゃんが振り向いた時、俺はナイフをシズちゃんの方へ向け、シズちゃんのワイシャツを切り、皮膚をかすった。

「っ…何すんだ…っ!!」
少し血が滲んじゃったけどだらだ
ら出てはいないから大丈夫なはず。
はあ…シズちゃんの可愛い可愛い…おっぱい…。
「シズちゃん…いただきまあああす!!」
「死ねえええええ!!」

その夜、池袋に俺の悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。

来年こそ!


end


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