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バイオリン (15/18)

「…なんでそんなバイオリン弾いてんのよコナンくんよ」

「その言い方止めろよな」

「新一そんなにバイオリン弾いてどーしたのよ」

呆れた目でコナンへと目を向ける榊に映るのは書斎の椅子に腰掛けたままバイオリンを引き続ける新一の姿。
書斎の二階部分から下を覗きこみながら声をかけるが、コナンには相手にされずに放置される


「暇なんだけど」
「癖ってなんだよ…」

「ねー聞いてるかい新一」
「聞いてるっての…だぁぁぁぁ!!わかんねぇ!」
「絶対聞いてないよね俺のこと」

それまでことごとくスルーしていた榊がいる上へと顔をあげたコナン。自然と目があった榊はそれを見て笑った

「なに、なんでんなにムキになってんのよ新一くんよ」
「…蘭に俺が弾くと癖があるからすぐ分かるって言われたんだよ」
「毛利に?…へー。俺にはわかんねぇけどなぁ」
「だろうな、榊に聞いた俺が馬鹿だったわ」
「新一の俺の扱いが酷い」
「ハッ、今更」

再び手元へと視線を戻したコナンを上から眺め、聞こえないように呟いた榊の声はコナンの耳まで届かない

「そもそも癖のある新一が弾くんだから癖のある音になるっしょそりゃー」